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アイテム
福島第一原発事故後の陸域環境中のネプツニウムとプルトニウムについて
https://repo.qst.go.jp/records/79539
https://repo.qst.go.jp/records/79539f5790653-b7a5-4575-9c22-de232e41faca
Item type | 会議発表用資料 / Presentation(1) | |||||
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公開日 | 2020-02-04 | |||||
タイトル | ||||||
タイトル | 福島第一原発事故後の陸域環境中のネプツニウムとプルトニウムについて | |||||
言語 | ||||||
言語 | jpn | |||||
資源タイプ | ||||||
資源タイプ識別子 | http://purl.org/coar/resource_type/c_c94f | |||||
資源タイプ | conference object | |||||
アクセス権 | ||||||
アクセス権 | metadata only access | |||||
アクセス権URI | http://purl.org/coar/access_right/c_14cb | |||||
著者 |
福田, 美保
× 福田, 美保× 鄭, 建× 山崎, 慎之介× 青野, 辰雄× Fukuda, Miho× Zheng, Jian× Yamazaki, Shinnosuke× Aono, Tatsuo |
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抄録 | ||||||
内容記述タイプ | Abstract | |||||
内容記述 | 1. はじめに 237NpとPu同位体は主に原子炉内で生成され、熱核爆弾試験によるグローバルフォールアウト(GF)やセラフィールドやラ・アーグ再処理工場などからの低レベル放射性廃棄溶液の廃棄、チェルノブイリ原子力発電所事故などが原因で環境中へと放出された。GFによって環境中に放出された237Npと 239Pu、240Puの量はそれぞれ約 40 TBq、6300 TBq、4300 TBqであり (Beasley et al., 1998b)、その他の核イベントによる237Npの放出量もまた、239Puと240Puに比べて2~4 オーダー少なかったことが明らかにされている (e.g. Assinder et al., 1999, Beasley et al., 1998a, BNFL, 2000, Jones et al., 1996, Kuwabara et al., 1996, 1999, UNSCEAR 2000)。従って環境試料中の237Npの分析はより少量での定量が必要とされるためPuに比べて報告例が少ない。その中でも、放出条件や核兵器の種類、収率、燃焼時間などに応じて237Np やPu同位体の濃度や原子数比が異なることが明らかにされている (e.g. Muramatsu et al., 2000, Zheng et al., 2013)。環境試料中のPuは概ねGFと該当の核イベントによる核兵器、原子炉から放出された混合したものであり、どちらの寄与がより高いかを評価するためには次の2点がポイントとなり、1) Pu濃度が該当する核イベント前に比べて著しく高く、2) 240Pu/239Pu 原子数比が核兵器、原子炉の値と同等であれば、それらのPuはGFに比べて核兵器、原子炉からの寄与が大きいと評価される。237Np濃度と237Np/239Pu原子数比についても同様のことが考察できる。従って、237Np やPu同位体の濃度およびそれらの同位体比を知ることで核兵器、原子炉からの放出によるものか、あるいはGFのどちらの寄与が高いのかを推測することが可能である。2011年3月の福島第一原子力発電所 (FDNPS)事故に伴い、多くの種類の放射性核種が環境中へと放出され、Pu同位体の濃度およびそれらの同位体比を用いたFDNPS事故とGFの寄与に関して環境試料を用いた評価が行われてきた (e.g. Bu et al., 2013, 2014, 2015, Igarashi et al., 2019, Imanaka et al., 2012, Evrard et al., 2014, JAEA, 2020, Jaegler et al., 2018, Men et al., 2018, Sakaguchi et al., 2014, Sakaguchi et al., 2012, Yamamoto et al., 2012, 2014, Yang et al., 2017, Zheng et al., 2012)。237Npに関してはORIGEN modelを用いた事故当時の原子炉や使用済み核燃料中の試算 (Nishihara et al., 2012)があるが、環境試料を用いた報告例は少ない (福田ら第20回 環境放射能研究会およびKEK proceedings 2018)。Npは高レベル廃棄物に位置付けられることから長期間にわたる環境中での挙動を明らかにすることは内部被ばく評価や廃棄物処理の観点からも重要な核種の1つである。本研究では昨年発表した福島県で採取した土壌および猿田川での河床堆積物に追加データの結果を踏まえて、FDNPS事故以降の陸域環境における237Npの分布および挙動について議論することを目的とした。 2. 試料採取および分析方法 分析には福島県で採取した土壌および猿田川にて採取した河床堆積物を用いた。分析試料は乾燥したのちに、マッフル炉を用いて最高温度250℃で約4時間灰化し、有機物を除去した。灰化した試料をテフロン容器に入れ、回収率を算出するためのトレーサーとして242Pu 0.57 pgを添加し、硝酸とフッ酸を入れて混合したのちにホットプレートを用いて160℃で約4時間加熱した。冷却後フッ化カルシウムとフッ化ランタン (CaF2/LaF3) 共沈を行なった。その後、硝酸 (HNO3)を用いて7.2 MHNO3溶液に調整し、AG MP-1M resinを用いてカラム分離を行い、237Npと239Pu, 240Pu, 241Pu, 242Puの同時抽出を行なった (Huang et al., 2019)。得られた最終溶離液をSF-ICP-MSを用いて測定を行なった。 3. 結果 分析した試料中の237Np濃度は (0.013±0.02)から(5.7±1) mBq/kg-dryで、FDNPS 事故前に日本各地で採取された試料 (土壌、水田、湖沼堆積物など) の濃度に比べて、放射壊変を考慮しても1~3オーダー低かった。239+240Pu濃度は (1.0±0.9)から(2768±202) mBq/kg-dryであり、事故前の濃度と同等およびそれよりも低い値であった。発表では同位体比とそこから分かってきたことについて過去の事象も踏まえて報告し、237NpとPuの挙動について考察する。 謝辞:本研究の成果は福島県放射線医学研究開発事業補助金の一部である。 |
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会議概要(会議名, 開催地, 会期, 主催者等) | ||||||
内容記述タイプ | Other | |||||
内容記述 | 第21回「環境放射能研究会」 | |||||
発表年月日 | ||||||
日付 | 2020-03-12 | |||||
日付タイプ | Issued |