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アイテム
アミロイドカスケードのキープロセス可視化によるアルツハイマー病の診断・治療法開発
https://repo.qst.go.jp/records/70060
https://repo.qst.go.jp/records/70060460ca7f0-1f89-4986-ada2-28b4b9f73de4
Item type | 会議発表用資料 / Presentation(1) | |||||
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公開日 | 2010-03-23 | |||||
タイトル | ||||||
タイトル | アミロイドカスケードのキープロセス可視化によるアルツハイマー病の診断・治療法開発 | |||||
言語 | ||||||
言語 | jpn | |||||
資源タイプ | ||||||
資源タイプ識別子 | http://purl.org/coar/resource_type/c_c94f | |||||
資源タイプ | conference object | |||||
アクセス権 | ||||||
アクセス権 | metadata only access | |||||
アクセス権URI | http://purl.org/coar/access_right/c_14cb | |||||
著者 |
樋口, 真人
× 樋口, 真人× 樋口 真人 |
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抄録 | ||||||
内容記述タイプ | Abstract | |||||
内容記述 | 本研究では、アミロイド蓄積に始まり神経細胞死ひいては症状発現に至るアミロイドカスケードの素過程を生体で可視化することにより、アルツハイマー病の病態にもとづいた診断・治療法を開発することを目指す。カスケードにおける主要な素過程として、アミロイドβペプチド(Aβ)蓄積、タウ蛋白異常凝集、神経免疫反応、カルシウムシグナル異常などを標的とする。(1)アミロイド病理を生体で可視化するプローブの開発細胞内アミロイド病変であるタウ蛋白封入体を生体で検出するプローブの開発を行った。2 種類の新規化合物をポジトロン核種である11C で標識し、小動物PET イメージングに用いたところ、P301S 変異型タウトランスジェニックマウスの封入体蓄積部位に一致して、プローブの結合が観察された。特に脂溶性の低いプローブは非特異的結合が少なく高いコントラストで病変を検出しえた。この結果を裏付けるために、タウトランスジェニックマウスにプローブを静注し、一定時間後に脳を摘出し切片を作製してex vivo オートラジオグラフィーを実施した結果、病変部位に一致した放射性シグナルが得られた。低脂溶性プローブは臨床応用に向けて現在毒性試験を進めている。(2)神経免疫シグナルとアミロイド代謝の結びつきの解析活性化ミクログリアの画像バイオマーカーであるtranslocator protein(TSPO)の発現量は、ミクログリアが毒性転換して神経細胞を攻撃する際に増加することを見出した。このことを利用して、各種培養ミクログリア株の中で、TSPO の発現レベルが高いクローンと低いクローンを選び出し、細胞外アミロイドのモデルであるアミロイド前駆体蛋白(APP)トランスジェニックマウスに移植しイメージングでアミロイド量の変化を追った。その結果、TSPO 低発現クローンの移植は広範囲にアミロイドを減少させるのに対して、TSPO 高発現クローンの移植はアミロイド除去効果をもたらさなかった。また、TSPO 低発現クローンは周囲の内在性ミクログリアをTSPO 発現増加を伴わない形で(すなわち毒性転換無しに)活性化させるのに対して、TSPO 高発現クローンは内在性ミクログリアの活性をむしろ抑制することが分かった。これらのクローンの免疫シグナル分泌プロファイルを比較したところ、数多くの炎症性ケモカインがTSPO 高発現クローンから多量に分泌されることが明らかになり、こうしたケモカインが内在性ミクログリアのアミロイド除去能増加を阻むと考えられた。また、2 つのクローンで分泌量の差が最も大きかった炎症性ケモカインは、細胞外アミロイドの構成分子であるAβと同じ酵素により安定化されることと、この酵素がアルツハイマー病患者脳で増加することが最近報告されており、共通のメカニズムによりAβと炎症性ケモカインが増加して病的カスケードを活性化させると推察された。さらにこのケモカインはin vitro でAβ凝集体に結合することと、免疫染色で細胞外アミロイドと共染されることが判明した。従って同ケモカインがアミロイド近傍で高濃度に存在して神経毒性をもたらしたり、Aβオリゴマーと結合する形で神経細胞を攻撃したりする可能性が推測された。(3)カルシウムシグナル異常とアミロイド代謝の結びつきの解析カルシウム依存性プロテアーゼであるカルパインは、内因性阻害分子カルパスタチンによって活性制御を受ける。APP トランスジェニックマウスとカルパチスタチン欠損マウスをかけ合わせると、細胞外アミロイドが増加しTSPO 陽性グリアが増加することが、生体PET イメージングで確認された。また、このかけ合わせマウスでは若齢時よりAβ分解酵素ネプリライシンの発現が低下していることが分かり、カルパインの異常活性化がネプリライシンを介してAβ代謝に影響を及ぼす可能性が示唆された。 | |||||
会議概要(会議名, 開催地, 会期, 主催者等) | ||||||
内容記述タイプ | Other | |||||
内容記述 | 「病態脳」平成21 年度夏の班会議(ワークショップ) | |||||
発表年月日 | ||||||
日付 | 2009-08-11 | |||||
日付タイプ | Issued |