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  1. 学会発表・講演等
  2. 口頭発表

炭素イオンマイクロビームで誘導されるヒト正常細胞の生物効果のバイスタンダー効果

https://repo.qst.go.jp/records/62128
https://repo.qst.go.jp/records/62128
c6fb8bfe-efe8-4e9c-9da7-e5eb47f4f72c
Item type 会議発表用資料 / Presentation(1)
公開日 2007-06-22
タイトル
タイトル 炭素イオンマイクロビームで誘導されるヒト正常細胞の生物効果のバイスタンダー効果
言語
言語 jpn
資源タイプ
資源タイプ識別子 http://purl.org/coar/resource_type/c_c94f
資源タイプ conference object
アクセス権
アクセス権 metadata only access
アクセス権URI http://purl.org/coar/access_right/c_14cb
著者 鈴木, 雅雄

× 鈴木, 雅雄

WEKO 614460

鈴木, 雅雄

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鈴木 雅雄

× 鈴木 雅雄

WEKO 614461

en 鈴木 雅雄

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抄録
内容記述タイプ Abstract
内容記述 1.はじめに
 原子力エネルギー利用や放射線廃棄物を源とする環境放射線に対する人体への放射線影響、宇宙空間環境あるいは高高度飛行における宇宙船・航空機内での人体に対する放射線影響、がんの放射線治療や診断に代表されるような医療被曝に関わる放射線影響などは、今後ますます大きな問題になることが予想される。このような放射線源に対する放射線影響研究で特に問題となってくるのは、低線量・低線量率の照射効果であり、粒子放射線の場合はイオンビームの低密度照射の生物影響に他ならない。このような放射線被曝で想定されるのは、直接放射線のヒットを受けた細胞の周囲に放射線のヒットを受けていない細胞(バイスタンダー細胞)が共存する被曝環境であり、近年話題となっている直接照射された細胞の生物影響が周囲の非照射細胞へも現れるバイスタンダー効果が生物影響研究にとって重大な関心事である。
 バイスタンダー効果という現象の存在は、直接放射線照射された細胞とされていない細胞との混合細胞集団を一つの被曝集団として解析し、もたらされる生物影響は照射された細胞に起因するものであり、直接照射されていない細胞は現れた生物影響に寄与しないものであるとする大前提のもとに解釈されてきたこれまでの放射線生物学の考え方には合致しないものである。このような低線量域の放射線照射に対してより正確な放射線影響を把握するためには、特に低線量・低密度照射に対して、
?直接照射された細胞への直接的な生物効果
?照射された細胞の近傍に存在する照射されていない細胞の間接的な生物効果
?さらに照射された細胞とされていない細胞との相互作用機序の解明
が、必要不可欠である。しかしながら放射線誘発バイスタンダー効果の誘導機構については、まだまだ不明な点が多く、現在は世界各国それぞれの研究室で断片的な状況証拠が集められているのが現状である。さらにはそれら研究の大多数が238Puから放出されるアルファ粒子を利用した確率的低密度照射実験やヘリウムイオンマイクロビームを利用した“狙い撃ち”照射実験によるものであり、ヘリウムよりも原子番号の大きな核種のイオンビームによる低密度照射の生物影響研究やバイスタンダー効果研究は現段階で非常に限られているのが現状である。
 本研究課題は、マイクロビームの放射線生物影響研究への応用として世界的に見て非常にユニークなTIARAのマイクロビーム照射装置を利用してヘリウムよりも原子番号の大きな核種の低密度照射の生物影響を明らかにすることが最終目的である。
\n2.実験方法
 ヒト正常細胞は、理化学研究所BioResource Centerより供給されたヒト胎児皮膚由来正常線維芽細胞を用いた。細胞レベルの生物効果として、細胞致死はコロニー形成法による細胞の増殖死として検出した。突然変異誘発はX染色体上にマップされるhprt遺伝子座を突然変異の標的として、6チオグアニン耐性コロニーの出現頻度より突然変異誘発頻度を算出した。TIARAサイクロトロンで加速された220MeV(細胞照射位置での推定LET=103keV/µm)炭素イオンマイクロビーム照射は、直径36mmの照射用シャーレ面上にコンフルエント状態に培養した細胞に対して図1に示すような格子状に照射した。これまでに2種類の照射法で実験を行っており、2006年10月と11月のマシンタイムでは7x7=49点格子状照射、2007年1月のマシンタイムでは16x16=256点格子状照射を行った。マイクロビームは、各照射点に対して直径20µmに8個のイオンを照射するように計画した。この照射方法により、同一照射野に炭素イオンビーム照射細胞と非照射細胞(バイスタンダー細胞)を共存させることが出来、全細胞集団の生物効果を評価してバイスタンダー細胞への生物効果を推定することによってバイスタンダー効果の有無を判定した。また、バイスタンダー効果誘導メカニズムを探る目的で、コンフルエント状態で隣細胞同士で接触による増殖阻止能が働く正常細胞の特性に注目し、ギャップジャンクションの特異的阻害剤を併用して、細胞間情報伝達機構のバイスタンダー効果への関与を調べた。

\n図1.炭素イオンマイクロビームの細胞への照射法。左側が2006年10月と11月のマシンタイムで行った方法。右側が2007年1月のマシンタイムで行った方法。細胞付着面上のドットが格子状照射の一点に相当する。
\n3.結果及び考察
 図2に細胞致死効果に対する結果を示す。3回のマシンタイムのいずれにおいても、マイクロビーム照射群の細胞生存率は、81-94%であった。今回使用したヒト正常細胞の細胞面積を測定した結果は、平均344µm2であり、マイクロビーム照射格子の面積と細胞付着面の面積から、どちらの照射方法においても炭素イオンが直接照射される割合は8-9x10-3%と計算される。細胞致死が炭素イオンが直接ヒットした細胞のみに生じ、非ヒット細胞には起こらないと仮定すると、今回得られた結果は説明することが出来ず、非照射細胞の一部にも二次的・三次的な何らかのメカニズムによって細胞致死が誘導されたと考えることが必要となる。このことにより、炭素イオン照射された細胞集団において細胞致死効果にバイスタンダー効果が誘導されたと結論する。また、ギャップジャンクション特異的阻害剤を併用した実験結果から、その細胞生存率はほぼ100%まで回復していることから、観察されたバイスタンダー細胞致死効果の誘導にはギャップジャンクションを介した細胞間情報伝達機構が密接に関与していることが示唆される。
\n
\n図2.炭素イオンマイクロビーム格子状照射に対するヒト正常細胞の細胞致死効果。左側は、2006年10月マシンタイムの結果。右側は、2007年1月マシンタイムの結果。+Lは、ギャンプジャンクショ特異的阻害剤を併用して細胞間情報伝達を抑制した場合。
\n 図3に突然変異誘発効果に対する結果を示す。最初の2回のマシンタイムの結果(図1左の照射法)は、マイクロビーム照射サンプルにはコントロールの自然誘発突然変異レベルを超えて突然変異が誘発されなかった。一方、2007年1月のマシンタイムの結果では、コントロールに対して約6倍高い突然変異の誘導が観察された。ヒト正常細胞の放射線誘発突然変異頻度を鑑みて、これらの結果が照射細胞数のスケールアップで単純に説明できるのか否か、2007年1月のマシンタイムの結果がバイスタンダー効果による誘導であるのか否か等、細胞照射方法と合わせて現在検討中であると同時にさらなる実験データの集積を計っている。
\n
\n図3.炭素イオンマイクロビーム格子状照射に対するヒト正常細胞の突然変異誘発効果。左側は、2006年10月マシンタイムの結果。右側は、2007年1月マシンタイムの結果。2006年10月と11月のマシンタイムの結果は同等であった。
\n
 以上、我々の研究はまだ緒に就いたばかりであるが、細胞致死効果の結果は同施設を利用して別の種類のヒト正常細胞を使用してすでに行われた浜田らの研究成果を再現する結果であり、ヘリウムよりも原子番号の大きな核種のイオンビームに対しても生物効果のバイスタンダー効果が誘導されることは間違いのない実験事実であると考える。今後は、さらに実験を進め、生物学的エンドポイントの違いによってバイスタンダー効果の誘導に影響が現れるのか、用いるイオンビームのエネルギー・核種に依存してバイスタンダー効果が現れるのか、等を重粒子線誘発バイスタンダー効果のメカニズムと合わせて解明していきたい。
会議概要(会議名, 開催地, 会期, 主催者等)
内容記述タイプ Other
内容記述 第2回高崎量子応用研究シンポジウム
発表年月日
日付 2007-06-22
日付タイプ Issued
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Ver.1 2023-05-15 21:34:20.640385
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