WEKO3
アイテム
炭素線による大腸がん肝転移一回照射の処方線量推定
https://repo.qst.go.jp/records/61843
https://repo.qst.go.jp/records/61843f31392c6-162e-47c0-ba90-1fed27f8febb
Item type | 会議発表用資料 / Presentation(1) | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
公開日 | 2006-10-17 | |||||
タイトル | ||||||
タイトル | 炭素線による大腸がん肝転移一回照射の処方線量推定 | |||||
言語 | ||||||
言語 | jpn | |||||
資源タイプ | ||||||
資源タイプ識別子 | http://purl.org/coar/resource_type/c_c94f | |||||
資源タイプ | conference object | |||||
アクセス権 | ||||||
アクセス権 | metadata only access | |||||
アクセス権URI | http://purl.org/coar/access_right/c_14cb | |||||
著者 |
松藤, 成弘
× 松藤, 成弘× 松藤 成弘 |
|||||
抄録 | ||||||
内容記述タイプ | Abstract | |||||
内容記述 | 炭素線による大腸がん肝転移一回照射の処方線量推定 松藤成弘、金井達明、加藤博敏、山田滋、辻井博彦 放医研・重粒子医科学センター \nDose Estimation of Carbon Single Fraction Irradiation for Liver Metastasis from Colorectal Cancer Naruhiro Matsufuji, Tatsuaki Kanai, Hirotoshi Kato, Shigeru Yamada and Hirohiko Tsujii National Institute of Radiological Sciences \n はじめに 1994年に放射線医学総合研究所HIMAC(Heavy Ion Medical Accelerator in Chiba)で開始された炭素線がん治療臨床試験では、現在までに延べ2,000名を超える患者の治療照射が行われている。優れた治療成績に基づき、2003年からは一部が高度先進医療に移行した。 この臨床試験を通じて、治療効果以外にも炭素線治療の特筆すべき特徴が明らかになりつつある。その一つに、小分割照射の可能性が挙げられる。従来の放射線治療では、正常組織については治療照射間での回復を、同時に腫瘍については再酸素化や再分布に伴う感受性の増加を期待して、1回2GyE程度の照射を多数回繰り返す多分割照射法が採られることが一般的である。しかし、多分割照射には長期の治療期間を要するため、治療コストの低減を図る際には障害となる。 重粒子線によるがん治療の主たる特徴は、Braggカーブに代表される線量の局所集中性と、Braggピーク部での高い生物学的効果(高RBE、低OER)にある。これらの特性から炭素線での小分割照射を想定すると、正常組織の線量を許容レベル以下に保ちながら、腫瘍に対して一様に高い制御効果を挙げられる可能性が示唆される。従ってHIMACにおける臨床試験では、分割数一定のもとで至適線量を調べる線量増加試験と平行して、小分割照射の有効性を検証するためのプロトコル研究が実施されている。非小細胞性肺がん(NSCLC)の場合、当初18回分割照射で開始されたが、現在は一回照射の臨床試験が行われている。 小分割照射を試みる場合にまず問題となるのが処方線量の選択である。重篤な障害が頻発するような高線量の設定は論外であるが、一方であまりにも安全側の低線量から開始することも、局所制御の観点で患者の利益にならない。従って、線量増加試験であっても事前に局所制御率を精度よく推定した上で、妥当な線量から開始することが求められる。 そこで本研究では、NSCLCに続いて一回照射が開始されることとなった大腸がん肝転移症例の処方線量を決定するため、腫瘍の局所制御確率(TCP)の線量応答特性をモデル計算によって推定した。 \n 方法 TCPの線量応答特性を表すモデルとして、Webbらが提唱したモデル1)を用いた。このモデルは、腫瘍内あるいは患者間で放射線感受性が分布すると考え、分布の形状にガウス関数を用いてTCPを評価するものである。以下に式を示す。 (1) \nここでα[Gy]、β[Gy-2]はLQモデルの係数、Nは腫瘍中に含まれるclonogenの数[個]、nは分割回数[回]、dは一回照射物理線量[Gy]、Tは照射期間[日]、Tdは腫瘍増殖時間[日]、またσはαの分散である。このモデルを用いて、これまでにHIMACにおけるNSCLCの臨床結果2)が現行のRBE定義システムで矛盾なく説明できることを確認した3)。 (1)式内のパラメータの値は、対象となる部位に応じて定める必要がある。今回対象となる大腸がん肝転移症例の臨床反応は、大腸がんに準じると考えられる。そこで、HIMACで得られた16回分割照射(4f/w)での大腸がん局所制御率4)を用いて、パラメータの決定を試みた。 \n 結果 全症例のPTVを一律に直径60mmとみなすことで、大腸がん照射の処方線量[GyE]を解析に必要な物理線量[Gy]に変換し、局所制御率を (1)式でフィッティングした。ここで、Td=200[日]、N=109[個]とした。その結果、α/βとして9.0(β=0.076)、σとして0.15を得た。これらの値をもとに12〜1回の小分割照射によるTCP曲線を予測した結果をfig. 1に示す。 局所制御率の初期目標を96%に定めた場合、対応する一回照射の臨床線量は、図より35.0GyEとなった。また、肝細胞がんの15回分割局所制御率を用いて同様の解析を行った結果、一回照射線量は33.0GyEと、ほぼ一致する値となった。 これらの結果を基づいて大腸がん肝転移一回照射の第?/?相臨床試験プロトコルが審議され、その結果、初期線量36.0GyEでの開始が決定された。 \n 参考文献 1)Webb S and Nahum AE: Phys. Med. Biol. 38: 653 - 66, 1993 2)Miyamoto T, Yamamoto N, Nishimura H et al.: Radiother. Oncol. 66: 127-40, 2003 3)Kanai T, Matsufuji N, Miyamoto T et al.: Int. J. Radiat. Oncol. Biol. Phys. 64: 650-6, 2006 4)Yamada S: private communication |
|||||
会議概要(会議名, 開催地, 会期, 主催者等) | ||||||
内容記述タイプ | Other | |||||
内容記述 | 第92回日本医学物理学会学術大会 | |||||
発表年月日 | ||||||
日付 | 2006-09-30 | |||||
日付タイプ | Issued |