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  1. 学会発表・講演等
  2. 口頭発表

DNA損傷生成と修復にかかわる酸素の影響

https://repo.qst.go.jp/records/61681
https://repo.qst.go.jp/records/61681
ccd51432-4843-4033-83a1-0336e8d66adc
Item type 会議発表用資料 / Presentation(1)
公開日 2006-07-18
タイトル
タイトル DNA損傷生成と修復にかかわる酸素の影響
言語
言語 jpn
資源タイプ
資源タイプ識別子 http://purl.org/coar/resource_type/c_c94f
資源タイプ conference object
アクセス権
アクセス権 metadata only access
アクセス権URI http://purl.org/coar/access_right/c_14cb
著者 平山, 亮一

× 平山, 亮一

WEKO 610696

平山, 亮一

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平山 亮一

× 平山 亮一

WEKO 610697

en 平山 亮一

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抄録
内容記述タイプ Abstract
内容記述 DNA損傷生成と修復にかかわる酸素の影響
\n
古澤佳也、平山亮一
\n放射線医学総合研究所・粒子線生物研究グループ
\n
\nはじめに:
1921年にHolthausenが酸素効果を発見してから多くの報があるが、依然として酸素効果の機構は完全には明らかにされていない。放射線感受性に対する酸素の影響は酸素が照射中に存在したときのみ起こり、放射線化学的機構であることを強く示している。非酸素存在下ではOHラジカルやH2O2などがDNAを酸化してもeaq- やHラジカルが酸化部位に電子を付加し酸化が中和される。しかし酸素存在下ではeaq-とHラジカルはその酸素を酸化剤となるO2- に変化させ、酸化作用が中和されることなくDNAに損傷をおよぼす[1-2]。また生体内では放射線による損傷部位を酸素が酸化固定するので、グルタチオンによる化学修復を阻害する[3-4]。このように酸素は活性酸素によるDNA損傷生成を高める二次的反応にも関与していて、生化学的修復が起こる以前の早い段階での「化学的修復」も重要であると考えられる。一方、種々の修復能を有する大腸菌での生存率の酸素効果はまちまちである(OER=1.5〜6.7)[5]。つまり放射線化学的機構だけでは酸素効果を十分に説明することはできず、生物学的要素である修復酵素による「生化学的修復」も酸素効果の機序に関与していると推測できる。
重粒子線治療における治療効果向上に向けてHIMACでは多大な基礎研究が行われ、特に重粒子線における LETとRBEやOERの関係がin vitro[6-10]ならびにin vivo[11-14]レベルで明らかになりつつある。OERに着目してみると、臨床で使用されている炭素線はX線やγ線に比べ低酸素性がん細胞に対して効果的ではあるものの、酸素効果は依然として観察される。そのため低酸素性がん細胞を標的とした放射線治療効果の向上において、生物学的にはOERを小さくすることが必須であり、酸素効果の機構は解明されるべき問題である。
本研究では低酸素性がん細胞を標的とした放射線治療向上のための生物学的知見を得るため、細胞致死、DNA損傷と修復における酸素の役割を明らかにすることを目的とした。具体的には大気下ならびに低酸素下照射での培養細胞の細胞生存率、DNA二本鎖切断(DSB)とその修復を、生化学・分子生物学的手法を用いて検討した。
\n材料・方法:
細胞はCHO細胞を用いた。
低酸素下照射:照射1時間前から純窒素に5%二酸化炭素の混合ガスで置換を行い、照射中も混合ガスを流し続けた。
放射線:X線(LET=1.7 keV/mm)、炭素線(13-79 keV/mm)、シリコン線(55 keV/mm)、アルゴン線(85 keV/mm)、鉄線(440 keV/mm)を用い、重粒子線照射は放医研HIMACで行った。
コロニー形成実験:細胞を室温で照射し、その後直ちにトリプシン処理を行い、希釈・播種の後10日間培養して固定・染色しコロニー数をカウントして細胞生存率を算出した。
DSBの検出:細胞のDNA損傷の検出には定電圧電気泳動法(Static-Field Gel Electrophoresis)を用いた。照射はDNA損傷修復をできるだけ避けるため低温(〜4℃)で行った。照射後のDNA損傷修復は大気下ならびに低酸素下37℃で行った。
\n結果・考察:
1. 酸素効果の機構
(1)細胞致死のOERはLETが 20 keV/mm付近から急激に減少し80 keV/mm付近で約2となり440 keV/mmまで減少したが1にはならなかった。
(2)X線による初期DSBのOERは細胞致死のOERよりも大きく、放射線の物理・化学的要素では致死に関するOERを十分に説明できない。
(3) DNA損傷を修復させる事により、高かった初期DSBのOERが減少したことから、酸素効果の機構として生物学的要素が関与していることが示唆された。
\n
\n
図1. 細胞致死、初期ならびに残存DSBのOERのLET依存性
\n2. 低酸素細胞のDNA損傷・修復
(1)低酸素下照射によって誘発されたDSBは大気下照射に比べて生成量は少ないが、修復処理によってもその減少が少ないことから、修復困難なDSBが生成していると推測された。
(2)炭素線誘発の初期DSBはX線誘発に比べ生成量は少ないが、修復後の残存DSB量は炭素線照射の方が多いことがわかった。さらに細胞致死を誘導する残存DSBは初期DSB生成量には依存せず、修復過程を経ても残っている修復困難なDSBが直接的な原因であることが推測される。
(3)X線による酸素化での照射に比べて、DSBの修復効率は低酸素下照射ならびに高LET放射線で低下し、DSBの種類が異なるかも知れないことが示唆された。
\n
\n図2. X線ならびに炭素線(79 keV/µm)で誘発されたDSBとその修復時間依存性
\n
むすび:
以上、低酸素下におけるDNA二本鎖切断の生成効率とその修復に関して、高LET放射線であっても酸素効果は依然観察されること、低酸素下で生成されたDSBは修復しにくいこと、高LETによるDSBも修復が困難なこと、しかし細胞致死のOERには修復が大きく係わっている事などを示した。此処ではデータは示さないが、DNA損傷の修復時における酸素の影響を調べた結果、低酸素下ではDSBの修復効率が低下していて、酸素はDSB修復に影響を与えている事が示唆されている。この酸素の有無によってDNA損傷の修復能が大きく変わることを利用し、照射後の血流内の溶存酸素濃度を上昇させ、正常組織障害の低減を促す新たな治療法を提案する。これはDNA損傷ならびに損傷修復の観点からin vivoならびに臨床応用への新しい知見をもたらすものと考えられる。
\n
\n文献:
[1]G. E. Adams et al., Int. J. Radiat. Biol. Relat. Stud. Phys., 15 (1969) 457-471.
[2]S. Kong et al., Arch. Biochem. Biophys., 204 (1980) 18-29.
[3]M. Liphard et al., Int. J. Radiat. Biol., 58 (1990) 589-602.
[4]D. Schulte-Frohlinde et al., Int. J. Radiat. Biol., 58 (1990) 603-611.
[5]I. Johansen et al., Radiat. Res., 58 (1974) 384-397.
[6]M. Aoki et al., J. Radiat. Res., 41 (2000) 163-175.
[7]M. Suzuki et al., Int. J. Radiat. Oncol. Biol. Phys., 48 (2000) 241-250.
[8]Y. Furusawa et al., Radiat. Res., 154 (2000) 485-496.
[9]C. Tsuruoka et al., Radiat. Res., 163 (2005) 494-500.
[10]R. Hirayama et al., J. Radiat. Res., 46 (2005) 325-332.
[11]N.Oya et al., J. Radiat. Res., 42 (2001) 131-141.
[12]S. Koike et al., J. Radiat. Res., 43 (2002) 247-255.
[13]T. Fukawa et al., J. Radiat. Res., 45 (2004) 303-308
[14]K. Ando et al., J. Radiat. Res., 46 (2005) 185-190
会議概要(会議名, 開催地, 会期, 主催者等)
内容記述タイプ Other
内容記述 第36回放射線による制癌シンポジウム
発表年月日
日付 2006-07-01
日付タイプ Issued
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Ver.1 2023-05-15 21:39:32.515207
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