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  1. 学会発表・講演等
  2. 口頭発表

軽イオンマイクロビーム照射のバイスタンダー効果

https://repo.qst.go.jp/records/60988
https://repo.qst.go.jp/records/60988
fac49a88-2d8b-4927-b46e-cd0a27e31d27
Item type 会議発表用資料 / Presentation(1)
公開日 2005-06-27
タイトル
タイトル 軽イオンマイクロビーム照射のバイスタンダー効果
言語
言語 jpn
資源タイプ
資源タイプ識別子 http://purl.org/coar/resource_type/c_c94f
資源タイプ conference object
アクセス権
アクセス権 metadata only access
アクセス権URI http://purl.org/coar/access_right/c_14cb
著者 鈴木, 雅雄

× 鈴木, 雅雄

WEKO 604510

鈴木, 雅雄

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鈴木 雅雄

× 鈴木 雅雄

WEKO 604511

en 鈴木 雅雄

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抄録
内容記述タイプ Abstract
内容記述 【はじめに】
 原子力エネルギー利用や放射性廃棄物を源とする放射線に対する人体への影響、より現実化する人類の宇宙空間への進出にともなって問題となる宇宙放射線に対する宇宙環境や高高度飛行における宇宙船・航空機内での人体影響、さらには粒子放射線によるがん治療に対する生物影響は、地球及び宇宙環境科学あるいは医学の分野において大きな関心事の一つである。このような放射線源に対する放射線影響研究で特に問題となってくる粒子放射線の生物影響は、イオンビームの低密度照射に対する生物影響に他ならない。
 近年、粒子放射線が照射される局所での低密度・不均一照射の粒子線照射場においては、直接粒子線のヒットを受けた細胞がそのストレスに対して“一次的”な応答をした結果、その近傍にある直接ヒットを受けていない細胞に“二次的”な応答が生じ、細胞集団として放射線生物作用を修飾する、すなわち直接ヒットを受けていない細胞に対するヒットを受けた細胞の間接的影響が現れる、という“バイスタンダー効果”が粒子線マイクロビームを用いた研究から報告されている。この現象は、放射線照射された細胞とされていない細胞との混合細胞集団を一つの被曝集団として解析し、もたらされる生物影響は照射された細胞に起因するものであり、直接照射されていない細胞は現れた生物影響に寄与しないものであるとする大前提のもとに解釈されてきたこれまでの放射線生物学の考え方には合致しないものである。このような放射線照射に対してより正確な放射線影響を把握するためには、粒子放射線低密度照射に対して、
(1)直接照射された細胞への直接的な生物効果
(2)照射された細胞の近傍に存在する照射されていない細胞の間接的な生物効果
(3)さらに照射された細胞とされていない細胞との相互作用機序の解明
 が、必要不可欠である。このような研究課題を明らかにするための照射実験を可能にするもっとも有力な実験方法が粒子線マイクロビームを用いるものである。
 本報告は、米国コロンビア大学にある加速器施設で行ったヒト由来の正常細胞に対するクロマチン切断誘発を指標にして、
(1)クロマチン損傷においてバイスタンダー効果が観察されるのか否か?
(2)観察されたクロマチン切断誘発のバイスタンダー効果の誘発メカニズム
(3)誘発されたバイスタンダークロマチン切断がどのような種類の損傷か?
 を明らかにするために、マイクロビーム及びブロードビームヘリウムイオンを用いて行った実験結果である。
\n【材料および方法】
 Heイオン照射実験は、コロンビア大学加速器施設(4.2 MV バンデグラーフ加速器)で行った。マイクロビームは、シングルイオンビーム照射装置を用いて細胞位置でのstopping powerが 90keV/_m(核子あたり1.3MeV)のHeイオン、ブロードビームは細胞位置でのstopping powerが 150keV/_m(核子あたり0.6MeV)のHeイオンをそれぞれ用いた。細胞は、ヒト気管支由来の正常上皮性細胞を用いた。クロマチン損傷は、カリキュリンAによって誘導されたG2期の凝縮クロマチンを光学顕微鏡下で観察し、chromatid fragments (chromatid breaks, isochromatid deletions, acentric fragments)として検出した。
\n【結果および考察】
Heイオンマイクロビーム照射によるクロマチン切断誘発のバイスタンダー効果
 1個のHeイオンを100%の細胞の細胞核に照射した場合、細胞当たり4個のクロマチン切断数をもった細胞数が約35%で、3、5、6、7個の切断数を持つものと合わせて全体の約85%を占めた。一方、1個のHeイオンを10%の細胞核に照射した場合は、100%の細胞核に照射した時に見られた3、4、5、6、7個の切断数の分布に占める割合が約15%で、1、2個の切断数を持った細胞数は約35%であった。また、1個のHeイオンを10%の細胞核に照射し、同時に細胞間の情報伝達を薬剤で遮断した条件下では、3、4、5、6、7個の分布に占める割合は、細胞間の情報伝達を阻害しない場合と約15%であったが、1、2個の分布に占める割合が非照射の時と同様で、結果として非照射の場合の切断を持たない細胞数のうちの約15%が3、4、5、6、7個の切断数を持つ分布へとシフトした形になった。一方、1個のHeイオンを10%の細胞核に照射し、同時に放射線誘発のラディカルスキャベンジャーであるDMSOを添加した条件下では、1個のHeイオンを10%の細胞核に照射した場合のクロマチン切断誘発分布と差がなかった。
 以上の結果は、1個のHeイオンを10%の細胞核に照射した場合には、Heイオンが直接ヒットしてクロマチン切断が生成された場合(細胞当たり3、4、5、6、7個の切断数)と直接ヒット以外の原因で比較的少ない切断数を生じた場合(細胞当たり1、2個の切断数)の2通りが混在していることを示唆している。このことは、クロマチン切断誘発においてもバイスタンダー効果が存在することを示すものであると考える。さらにその誘導メカニズムの一つとして、本実験の様な接触細胞においては、gap junction を介した情報伝達が重要な役割を演じていること、DMSOで消去されるような放射線誘発のラディカルは関与していないこと、が示唆される。
\nバイスタンダー効果で誘導されるクロマチン切断はどのようなものか?
 厚さの薄いマイラフィルムを張ったリングに別の厚いマイラフィルムを帯状に張ったリングを重ね合わせ、エネルギーの低いHeイオンブロードビームを照射して、薄いマイラフィルム上に培養した細胞にはHeイオンが直接ヒットするが、厚いマイラフィルム上の細胞にはHeイオンの残存飛程が届かないような照射条件で、バイスタンダー細胞となる厚いマイラフィルム上の細胞のクロマチン切断を観察し、バイスタンダー誘発クロマチン切断の実体を調べた。直接ヒットを受けた薄いマイラフィルム上の細胞には、通常観察されるchromatid-type の損傷に加えて高LET放射線で特異的に生成されるisochromatid deletion が観察された。また、クロマチン間のexchangeも観察された。一方、直接ヒットを受けない厚いマイラフィルム上のバイスタンダー細胞には、chromatid-type の損傷のうちchromatid breakとacentric fragmentしか観察されなかった。
 以上の結果から、バイスタンダー細胞に誘発されたクロマチン損傷は、X線やガンマ線で高頻度に観察される比較的低LET放射線タイプの損傷しか生じていないことがわかった。
会議概要(会議名, 開催地, 会期, 主催者等)
内容記述タイプ Other
内容記述 第4回イオンビーム生物応用研究ワークショップ マイクロビームを用いた生物学研究の新展開
発表年月日
日付 2005-06-22
日付タイプ Issued
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Ver.1 2023-05-15 21:47:30.804553
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