WEKO3
アイテム
マイクロビームを利用した研究
https://repo.qst.go.jp/records/60283
https://repo.qst.go.jp/records/60283e6049a53-6d6c-4ec4-bb75-6ae55dc7ca33
Item type | 会議発表用資料 / Presentation(1) | |||||
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公開日 | 2004-03-04 | |||||
タイトル | ||||||
タイトル | マイクロビームを利用した研究 | |||||
言語 | ||||||
言語 | jpn | |||||
資源タイプ | ||||||
資源タイプ識別子 | http://purl.org/coar/resource_type/c_c94f | |||||
資源タイプ | conference object | |||||
アクセス権 | ||||||
アクセス権 | metadata only access | |||||
アクセス権URI | http://purl.org/coar/access_right/c_14cb | |||||
著者 |
鈴木, 雅雄
× 鈴木, 雅雄× 鈴木 雅雄 |
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抄録 | ||||||
内容記述タイプ | Abstract | |||||
内容記述 | 国際宇宙ステーション建設が進み人類の宇宙空間への進出が現実化する中で、宇宙環境や高高度飛行における宇宙船・航空機内での人体に対する放射線影響は、宇宙環境科学の分野において大きな関心事の一つである。このような環境下における放射線影響研究で特に問題となってくるのは、低線量・低線量率の放射線生物効果であり、短時間に比較的大線量を照射するガン治療に代表される医療に関連した放射線被ばくの生物影響とは異なる。また、特に宇宙空間においては、陽子等の粒子放射線の低密度照射の生物影響が重要である。この様な粒子放射線の低密度照射実験を可能にする有力な研究手段が粒子線マイクロビームを用いることであり、従来の放射線照射が標的細胞にある分布に従ってランダムに行われるのに対して、マイクロビームを用いることによって一つの細胞の細胞核または細胞質を区別して必要とする数の粒子を照射することが可能となる。従って、たとえば陽子1個を細胞の細胞核に照射した時に現れる放射線生物効果を観察するような、粒子線の低密度・低線量照射の生物影響を明らかにすることが期待出来る。 近年このような粒子線の低密度・低線量照射によって、直接粒子線のヒットを受けた細胞がそのストレスに対して“一次的”な応答をした結果、その近傍にある直接ヒットを受けていない細胞に何らかの“二次的”な応答が生じ、結果的に細胞集団として放射線生物作用を修飾する、すなわち直接ヒットを受けていない細胞に対するヒットを受けた細胞の間接的影響が現れる、とする“バイスタンダー効果”が報告されている。このバイスタンダー効果と呼ばれる現象は、1992年にNagasawa (Cancer Res., 52, 6394-6396 ,1992)らによって報告されたα線低線量照射による姉妹染色分体交換誘発を皮切りに、電離放射線のみならず紫外線、化学物質に対して数多くの報告がなされており、特に粒子線の低密度照射の生物影響とそのメカニズムを考える上で重要な因子の一つであることは間違いない。 本報告は米国コロンビア大学にある加速器施設のマイクロビーム照射装置でHeイオンをリアルタイムで細胞一個に照射することが可能な実験システムを用いて、培養細胞のクロマチン損傷誘発を指標にして、クロマチンレベルの放射線生物効果においてバイスタンダー効果が誘導されることを確認し、そのメカニズムの一端を明らかにした実験結果である。得られた結果から現段階で以下のように結論している。 (1) 細胞集団の中の10〜20%の細胞の細胞核にランダムに1個のHeイオンを照射することによって、Heイオンの直接のヒットを受けていない残りの細胞の中にクロマチン切断を誘導するようなバイスタンダー効果が生じた。 (2) そのバイスタンダー効果のメカニズムとして、gap junction を介した細胞間情報伝達機構が重要な役割を果たしている。 (3) DMSOで除去されるようなラディカルは、バイスタンダー効果誘導に関与していない。 |
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会議概要(会議名, 開催地, 会期, 主催者等) | ||||||
内容記述タイプ | Other | |||||
内容記述 | 第3回放射線安全研究センターシンポジウム | |||||
発表年月日 | ||||||
日付 | 2003-12-05 | |||||
日付タイプ | Issued |