WEKO3
アイテム
研究室訪問 独立行政法人放射線医学総合研究所 分子イメージング研究センター 先端生体計測研究プログラム 生体情報計測研究チーム、生体イメージング技術開発研究チーム
https://repo.qst.go.jp/records/58395
https://repo.qst.go.jp/records/58395069b8916-0742-4e66-879e-6cd3bd7303b5
Item type | 一般雑誌記事 / Article(1) | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
公開日 | 2014-01-31 | |||||
タイトル | ||||||
タイトル | 研究室訪問 独立行政法人放射線医学総合研究所 分子イメージング研究センター 先端生体計測研究プログラム 生体情報計測研究チーム、生体イメージング技術開発研究チーム | |||||
言語 | ||||||
言語 | jpn | |||||
資源タイプ | ||||||
資源タイプ識別子 | http://purl.org/coar/resource_type/c_6501 | |||||
資源タイプ | article | |||||
アクセス権 | ||||||
アクセス権 | metadata only access | |||||
アクセス権URI | http://purl.org/coar/access_right/c_14cb | |||||
著者 |
山谷, 泰賀
× 山谷, 泰賀× 伊藤, 浩× 山谷 泰賀× 伊藤 浩 |
|||||
抄録 | ||||||
内容記述タイプ | Abstract | |||||
内容記述 | 独立行政法人放射線医学総合研究所(放医研)は,放射線と人々の健康に関わる総合的な研究開発に取り組む,国内で唯一の研究機関です.1957 年に国立研究所として創立され,2001 年に独立行政法人に移行しました.現在は,米倉義晴理事長のもと,重粒子線によるがん治療の研究や,放射線が生体におよぼす影響の研究,生体における分子レベルの異常を画像化する分子イメージング研究など,「放射線の医学的利用のための研究」と,万が一に備える「放射線安全・緊急被ばく医療研究」を2 つの柱として,以下の5 つの研究センターから構成されています(図1). ・重粒子医科学センター(鎌田正センター長) ・分子イメージング研究センター(藤林康久センター長) ・放射線防護研究センター(酒井一夫センター長) ・緊急被ばく医療研究センター(明石真言センター長) ・研究基盤センター(取越正己センター長) 分子イメージングとは,生体内で起こる様々な生命現象を外部から分子レベルで捉えて画像化することであり,生命の統合的理解を深める新しいライフサイエンス研究分野です.放医研では長年にわたりポジトロン断層撮影法(PET) や核磁気共鳴断層撮影法(MRI) などの画像診断機器を用いた画像医学研究に取り組んできましたが,世界的な分子イメージング研究の勃興を踏まえ,2005 年に分子イメージング研究センターを創設しました.当センターでは,以下の4 つの研究プログラムのもと,腫瘍や精 神疾患に関する基礎研究や臨床研究のほか,分子プローブ開発や放射薬剤製造技術開発,PET 装置開発やMRI 計測技術開発など,分子イメージングの基礎研究から疾患診断の臨床研究まで幅広い研究を行っています. 分子病態イメージング研究プログラム(佐賀恒夫プログラムリーダー)では,PET をはじめとするがんの機能イメージング研究を行っています.分子プローブを用いたがん等の様々な疾患の病態評価法を開発・確立し,その臨床での有用性を検証するとともに,がん細胞に発現する分子標的の診断等に有用なプローブや,様々な機能を搭載した多機能プローブの開発を行っています. 分子神経イメージング研究プログラム(須原哲也プログラムリーダー)では,統合失調症,うつ病やアルツハイマー病などの精神・神経疾患を対象に,その病態の理解および早期診断,さらに薬物などによる治療の評価法の開発を目標として臨床研究および基礎研究の両面からアプローチしています.そして,それらの連携により精神・神経疾患における分子診断指標を確立し,色々なイメージングバイオマーカーを用いて新しい薬や治療法の開発に貢献していくことを目指しています. 分子認識研究プログラム(張明栄プログラムリーダー)では,臨床診断や生体機能の計測に有用な分子プローブの開発と,分子プローブ合成のために必要な新しい放射性核種や標識技術の開発も行っています.また,臨床研究に必要な安全で高品位なPET 薬剤の供給も行っており,これらのPET 薬剤製造の技術を標準化し,外部への技術移転を推進しています. 先端生体計測研究プログラム(伊藤浩プログラムリーダー)は,次世代のPET 装置を開発するチームと,PET 等から得られる生体情報を定量的に評価する手法を開発するチームから構成されています. 超高分解能PET 装置の開発や新しいコンセプトのPET 装置である「OpenPET」の開発を行うとともに,PET やMRI,二光子顕微鏡等による生体イメージング解析技術の開発を行い,これらの技術を用いて疾患の診断と治療の基盤となる生体情報の抽出・体系化を目指しています. \n先端生体計測研究プログラム生体情報計測研究チーム 生体情報計測研究チームでは,PET,MRI,光学計測を用いた生体イメージング技術を開発し,これらを複合的に用いて疾患の診断と治療の基盤となる生体情報を抽出し,体系化する研究を行っています. PET については,臨床および動物におけるPET データから生理学的パラメータをより高精度に抽出するための定量解析法の開発や,効率的なPET 測定のための測定プロトコールの開発,その精度評価に関する研究を行っています.また,臨床PET 検査中の体動を補正することにより,パラメータ計算の精度を向上させる研究も行っています. PET とMRI を用いた複合的な画像解析については,MRI により測定される水分子拡散やニューロメラニン含有量,脳血流量などの生体情報とPET による脳神経伝達機能などの生体情報を組み合わせて解析することにより新たな生体情報を抽出する研究を行っており,水分子拡散やニューロメラニン含有量とPET により測定される脳内モノアミン作動性神経系の神経伝達機能との比較研究が進められています(図2).また,MRI による生体機能の測定手法の確立に向けて,水分子拡散の新しい測定法の開発も行っています. 光学計測を用いた生体計測では,二光子顕微鏡などにより生体における細胞や血管の形態や機能をミクロレベルで画像化するための技術を開発し,PET やMRI で測定される病態のメカニズムを追求する研究を行っています(図3).また,PET やMRI による生体情報の定量測定に必要な生理学的パラメータを光学計測により決定することも試みており,PET 計測技術の基盤となる研究成果が期待されています. (放射線医学総合研究所 伊藤 浩) \n先端生体計測研究プログラム生体イメージング技術開発研究チーム PET は,がん診断など臨床現場で活躍するほか,分子イメージング研究を推進する手段としても有望視されています.生体透過性に優れる放射線を使って体内情報を得る核医学イメージングにおいて,PET は原理的に感度および定量性に優れた方法です.PET/CT 装置の実用化やFDG-PET の保険適用によって,国内の臨床PET 装置の台数は,この10 年間で50 台から500 台近くにまで急増しましたが,未だその潜在能力を十分に生かしきれていません.具体的には,解像度や感度,さらにはコスト に課題が残され,次世代PET 装置の研究開発は世界的な競争下にあります.生体イメージング技術開発研究チームでは,産学協力のもと,がんや脳の疾患で困ることのない未来をなるべく早く実現するために,次世代のPET 装置および要素技術の研究開発を推進しています.具体的には,世界に先駆けて実用化に成功した,解像度と感度を両立する三次元放射線検出器(DOI 検出器)をコア技術とし,以下の2 つの研究を推進しています(図4). ・次世代DOI 検出器「クリスタルキューブ」による高解像度PET の研究 ・診断・治療を融合する開放型PET「OpenPET」の実証実験機の開発 (放射線医学総合研究所 山谷泰賀) |
|||||
書誌情報 |
Medical Imaging Technology 巻 31, 号 5, p. 330-333, 発行日 2013-11 |
|||||
出版者 | ||||||
出版者 | 学術新報社 |