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重粒子線治療−最新治療エビデンス はじめに
https://repo.qst.go.jp/records/57806
https://repo.qst.go.jp/records/5780681eb50b9-81eb-442a-b172-ff7f47f2bff2
Item type | 一般雑誌記事 / Article(1) | |||||
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公開日 | 2010-11-22 | |||||
タイトル | ||||||
タイトル | 重粒子線治療−最新治療エビデンス はじめに | |||||
言語 | ||||||
言語 | jpn | |||||
資源タイプ | ||||||
資源タイプ識別子 | http://purl.org/coar/resource_type/c_6501 | |||||
資源タイプ | article | |||||
アクセス権 | ||||||
アクセス権 | metadata only access | |||||
アクセス権URI | http://purl.org/coar/access_right/c_14cb | |||||
著者 |
鎌田, 正
× 鎌田, 正× 鎌田 正 |
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抄録 | ||||||
内容記述タイプ | Abstract | |||||
内容記述 | 日本人男性の2人のうち1人が,女性は3人に1人が癌になるといわれている.また,1981年以来,癌はわが国の死因の1位であり,人口の高齢化とともに増加しつづけている.加齢に伴う癌の増加とその克服は,すべての国民にとって喫緊の課題となっている.また,このような癌の増加はわが国だけの問題ではなく,WHOの2007年の統計では罹患者は1,100万人,死亡者は790万人,癌経験者は2,600万人で,先進国はもとより,それ以外の国々でも癌は重要な課題となっている.現在,癌治療としては外科切除,放射線治療,化学療法が実施されているが,いずれもまだ一長一短があり,完全なものとはいえない.しかし,それぞれにおいて絶え間なく研究開発が実施されており,あらたな手技,技術,装置,薬物が導入され,癌の治療成績は着実に改善している. X線の発見直後には癌治療への応用が行われ,放射線治療はすでに100年以上の研究開発の歴史があり,最近の強度変調放射線治療や画像誘導放射線治療の開発とその臨床応用の成功は記憶に新しい.一方,粒子線による癌治療もすでに50年以上の歴史をもち,当初,物理研究用加速器で加速した粒子線を治療に応用することではじまったが,その優れた治療効果から現在では治療専用の加速器開発が行われ,さらに最新の画像医学,あるいは情報工学技術の応用により飛躍的な進歩を遂げつつある.なかでも炭素原子核(炭素イオン)を光速近くまで加速して癌治療を行う重粒子線治療は1983年,国の第一次“対癌10ヵ年総合戦略”において,放射線医学総合研究所(以下,放医研)に医療用重イオン加速器(Heavy Ion Medical Accelerator in Chiba:HIMAC)の建設が決定され,1993年に加速器が完成,1994年6月から重粒子(炭素イオン)線による癌治療(臨床試験)を行ってきた. これまでに50近くの重粒子線癌治療臨床試験を実施し,これらを通じて個々の疾患に適した線量分割法の開発や,呼吸同期照射法など照射技術の開発,PETを中心とした新しい画像診断法の治療への応用などを行っている.これまでの疾患別の重粒子線治療の頻度では,前立腺癌を筆頭に頭頸部,骨軟部,肺,肝,直腸癌の術後骨盤再発など多く治療しており,その他,子宮癌,膵癌,脳腫瘍,眼球や頭蓋底部の腫瘍なども対象となっている.2010年2月までの放医研における重粒子線治療総数は5,196症例に達している.その結果をまとめると,手術困難な骨軟部肉腫や直腸癌の術後局所再発などの難治性癌を治癒に導くことが可能となり,前立腺,頭頸部,肺,肝などの癌では,同じ治すにしてもより短期間で安全に治せることなどが明らかとなっている. |
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書誌情報 |
医学のあゆみ 巻 235, 号 4, p. 281-284, 発行日 2010-10 |
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ISSN | ||||||
収録物識別子タイプ | ISSN | |||||
収録物識別子 | 0039-2359 |