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日本IHE協会の活動と世界動向
https://repo.qst.go.jp/records/57726
https://repo.qst.go.jp/records/577262d087c49-27c1-4d9d-abf1-d8dc13d95ee6
| Item type | 一般雑誌記事 / Article(1) | |||||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 公開日 | 2010-06-29 | |||||
| タイトル | ||||||
| タイトル | 日本IHE協会の活動と世界動向 | |||||
| 言語 | ||||||
| 言語 | jpn | |||||
| 資源タイプ | ||||||
| 資源タイプ識別子 | http://purl.org/coar/resource_type/c_6501 | |||||
| 資源タイプ | article | |||||
| アクセス権 | ||||||
| アクセス権 | metadata only access | |||||
| アクセス権URI | http://purl.org/coar/access_right/c_14cb | |||||
| 著者 |
安藤, 裕
× 安藤, 裕× 安藤 裕 |
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| 抄録 | ||||||
| 内容記述タイプ | Abstract | |||||
| 内容記述 | ●はじめに 日本IHE協会の活動は、大きく分けると2つに分かれる。1つは、?病院内での作業手順を分析して、どのような情報システムを構築するかを定義した文書(以下、業務の手順書)を作成し、それに基づいてテクニカルフレームワークと呼ばれるシステム間の情報の流れを定義した文書を作成して接続テスト(コネクタソン)を行うこと、もう1つは、?病院内のさまざまな部門で作られた業務の手順書を広く一般の人にPRを行う”広報活動”である。 ●IHE活動 IHEの活動は、一般にはIHEサイクルと呼ばれており、図1に示すような活動を行っている。?の「医療機関におけるさまざまな部門の複雑で問題の多いシステム」がスタートである。医療機関におけるいろいろなシステムに関する問題点を解決するために、メーカーの技術者と協力して業務の流れを分析し、他の医療機関でも適応可能な業務の手順書を作成する。 この業務の手順書を既存の標準的な規格をもとに、システム間の情報の流れを定義し、IHEのテクニカルフレームワークと呼ばれる規格書を作成する。各メーカーは、作成されたテクニカルフレームワークに則り、製品に組み込んで接続テストを行う。接続テストの結果は、「一覧表」としてIHE協会のホームページ上で公開されている。この一覧表をぜひみなさんに活用していただき、新しくシステムを導入する場合や、システムを更新する場合に活用してもらいたい。 ●広報活動 日本IHE協会では、一般の方を対象にさまざまな広報活動をしている。特に力を注いでいるのが、ワークショップやチュートリアルと呼ばれる勉強会である。またそのほかにも、装置を持ち込んで展示を行ったり、ホームページでの広報活動を行ったりしている。 日本IHE協会のホームページ(http://www.ihe-j.org)上には、さまざまなコンテンツがあり、IHE-Jの資料ページ(http://www.ihe-j.org/material/index.html)には、IHEの解説ビデオ、IHEパンフレット、用語集、導入事例などさまざまな情報や資料がある。また、日本IHE協会が行っている勉強会であるワークショップや、学会との共催で行っているチュートリアルのスライド原稿なども入手可能である。 ●日本IHE協会の活動分野 IHE活動の本質は、業務の手順書をまとめてどのような情報システムを構築するかを定めたテクニカルフレームワークを作成することとなる。現在、日本IHE協会が対応している活動分野を図2に示す。世界的なIHE活動と協調して活動を行っており、世界的な規模で行われている活動分野(ドメインと呼ぶ)は、現在11分野である。 日本IHE協会では、そのうち9分野(放射線、放射線治療、循環器、臨床検査、病理・臨床細胞、内視鏡、眼科、PCD、ITI)で活動している。これらの分野で、複数の業務の手順書を作成しており、総数は90を超えている。 このようなたくさんの業務の手順書から、自分の病院に当てはまる業務の手順書を探すことは、大変難しくなりつつある。今後、日本IHE協会の活動としては、一般の、特にIT専門家がいないような医療施設で、どのように業務の手順書を活用して、IT化を進めていくかという方法を検討している。 ●IHE活動の世界規模での発展 1999年、米国で産声を上げたIHE活動も、すでに10年以上経過している。その活動は、業務の手順書の分析やテクニカルフレームワークの作成を行い、現在では、図3に示すように、北米(米国、カナダ)、ヨーロッパ(デンマーク、フランス、ドイツ、イスラエル、イタリア、ノルウェー、スペイン、オランダ、英国など)、アジア・オセアニア(オーストラリア、中国、日本、韓国、台湾、シンガポールなど)に活動が広がっている。 ●IHE活動の将来 IHE活動を「業務の手順書による部門システムの連携および問題点の解決」と考えると、放射線部門を中心にさまざまな部門に拡大し、また、病院内から施設間連携へと発展を遂げている。いま一番注目されているのが、「施設間連携や地域医療情報システムの開発にIHEの業務の手順書が利用できないか」という課題である。図4は、いままでにIHEの業務の手順書を利用して開発されたHIE(Health Information Exchange:医療情報連携システム)の一覧である。わが国の名古屋プロジェクトをはじめ、アジア(中国、マレーシア)、ヨーロッパ(英国、オランダ、フランス、オーストラリア、スイス、イタリア)、北米(米国、カナダ)でIHEの業務の手順書が利用され、医療情報連携システムが稼働している。 多くの国や地域で、IHEの業務の手順書の考え方が取り入れられて、活用されている。今後、病院内からさまざまな施設間、あるいは一般個人の家庭と医療機関・検診機関を連携するような新しい業務の手順書が検討され始めている。 ●おわりに IHE活動はグローバルな活動であり、決して1つの国や1つの企業の利益のための活動ではなく、医療情報システムを使用する医療機関の利用者(医師をはじめ、看護師、検査技師、薬剤師や事務員など)にメリットをもたらし、さらには、その医療機関を利用する患者さんにもメリットになる活動である。 多くの方々が、IHE活動を正しく理解して、医療従事者や医療の受益者である国民の方々がハッピーになれるように、IHE活動に参加したり、見守ったりしていただきたい。 |
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| 書誌情報 |
インナービジョン 巻 25, 号 4, p. 78-79, 発行日 2010-04 |
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| ISSN | ||||||
| 収録物識別子タイプ | ISSN | |||||
| 収録物識別子 | 0913-8919 | |||||