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  1. その他誌上発表

第50回日本放射線影響学会 印象記

https://repo.qst.go.jp/records/57362
https://repo.qst.go.jp/records/57362
00b7fb8b-e101-446c-9050-a04d2a4dce9a
アイテムタイプ 一般雑誌記事 / Article(1)
公開日 2008-02-18
タイトル
タイトル 第50回日本放射線影響学会 印象記
言語
言語 jpn
資源タイプ
資源タイプ識別子 http://purl.org/coar/resource_type/c_6501
資源タイプ article
アクセス権
アクセス権 metadata only access
アクセス権URI http://purl.org/coar/access_right/c_14cb
著者 平山, 亮一

× 平山, 亮一

WEKO 579739

平山, 亮一

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平山 亮一

× 平山 亮一

WEKO 579740

en 平山 亮一

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抄録
内容記述タイプ Abstract
内容記述 はじめに
日本放射線影響学会第50回大会が11月14日から17日まで千葉の幕張メッセ国際会議場で開催された。今年は第50回という記念すべき大会に当たり、今日までの研究の軌跡を顧みるとともに、現状を俯瞰することにより、今後の放射線影響研究を展望する機会となった。プログラムはシンポジウムが7つ、特別講演が3つ、ワークショップが9つ、一般演題が300近くあり、充実した4日間であった。
\nシンポジウム
第50回大会記念講演として「日本の放射線影響研究を顧みて」というシンポジウムが開かれた。学会と大会の歩みを、主に環境放射線研究領域から市川龍資先生(元放射線医学総合研究所(以後、放医研)科学研究官)に、放射線生物医学の領域から菅原努先生(京都大学名誉教授)にお話しいただいた。多くの若手研究者が学会設立のきっかけを知ることのできた貴重な時間であった。また、学会場には日本放射線影響学会第1回大会大会長である檜山義夫先生から50名の歴代大会長の顔写真パネルが並んでおり、多くの参加者が足を止め思い出話に花が咲いていた。
「第五福竜丸を振り返る」というシンポジウムは市民講座として開かれ、53年前の当時の状況を現在の視点で科学的に検証が行われた。当時、第五福竜丸の漁労長であった見崎吉男氏、この事件のあと設置された静岡大学理学部放射化学実験施設の元施設長である静岡大学名誉教授長谷川圀彦氏を招き、当時の船上での状況をお話し頂いた。また社会はこの事件における放射線影響をどう見てきたかを、静岡新聞社会部の木村力氏が解説を行った。核の恐ろしさを改めて実感させられた。
\n特別講演
「放射線生物学のがん研究への最も重要な寄与−過去・現在・未来−」では放射線治療学と放射線生物学のそれぞれの立場から放医研の辻井博彦先生と安藤興一先生が講演を行った。辻井博彦先生の講演では臨床の立場から、がん治療における放射線治療の有効性が語られた。100年を超える放射線治療の歴史の中でテレコバルト装置やLinacといった超高エネルギー治療装置の登場やCTの出現により革命的な治療成績の向上があった。CTの出現は診断技術だけではなく、陽子線や炭素線治療などイオン線治療の特徴を向上させたため、放医研における重粒子線がん治療装置HIMACが世界をリードしてきたのだろう。ただ、放射線生物学の臨床への貢献はあるものの、まだまだ基礎研究には課題が残されているような印象を受けた。
安藤先生はご自身がされてきた放射線影響研究、特にがん放射線治療の生物学的研究を振り返り、治療の基礎である生物学において今までの歴史で何が大切な発見であったかを5つ挙げていた。(1)コロニー形成法を用いた細胞生死判定、(2)亜致死損傷および潜在的損傷とそれらの修復、(3)腫瘍内低酸素の存在、(4)細胞の再増殖と放射線治療における4R(修復または回復:Repair or Recovery、再分布:Redistribution、再増殖:Repopulation、再酸素化:Reoxygenation)、最後に(5)アポトーシスである。現在における重要な発見と提唱は(6)線量効果における一次−二次関係と(7)陽子線治療とのことであった。さらに未来についても言及されおり(8)遺伝子情報に基づいた放射線感受性予測、(9)in vivoでの分子イメージング研究が近い将来重要な発見をもたらすとの講演であった。これらの分野は先端研究領域として活発に研究が行われており、私自身も期待している。
\nワークショップ
今年は放射線生物学と放射線化学との合同セッションが若手放射線生物学研究会(日本放射線影響学会の若手会員で構成された有志団体)によって6年ぶりに行われた。6年前は放射線影響学会と放射線化学会の合同ワークショップであったが、今年は両学会の若手研究者によって演者と座長が構成され、一連の過程が若手研究者によって企画された若手主催のワークショップとなった。放射線の生物影響を知る上で忘れがちになってしまうのが、照射直後から始まる放射線生物作用である。具体的には電離・励起分子の生成(<10-15秒)やラジカルの生成(10-6秒)といった極短時間で起こっている放射線の初期過程である。日本原子力研究開発機構(以後、原子力機構)の田口光正先生の発表は、重粒子線によって生成するOHラジカルの収量がイオン種によって異なり、それはOHラジカルの空間分布の違いによるものだということだった。重粒子線特有の生物効果の鍵はこの時点にあるのだろう。東京大学の山下真一先生は重粒子線によって生じたOHラジカルがギ酸と反応する化学反応を用いて高LET放射線がもたらす高い生物効果を放射線化学シミュレーションにより説明された。引き続き原子力機構の赤松憲先生には放射線誘発DNA損傷の線質の違いによる新たな分析法を提案していただき、その結果、放射線によって生じるDNA損傷には莫大な種類があることがわかった。最後に名古屋大学の熊谷純先生にはOHラジカルよりはるかに寿命が長い遅発性長寿命ラジカルによる培養細胞の突然変異や形質転換との関係について講演していただき、白熱した議論が展開された。このワークショップでは生物学と化学の共通領域を意識したものであったが、参加者には分子生物学や放射線治療学を主に研究されている先生方も多数参加しており、大方の予想を反して大盛況のうちに終わった。私自身は放射線生物学を学ぶ上で放射線化学−生物学の共通領域の重要性と面白さを改めて認識させられた。
\nおわりに
今年の日本放射線影響学会は記念大会ということもあり非常に大規模で優雅であり内容の充実した4日間であった。また、例年に比べ若手研究者によるセッションの企画や各賞の受賞が多かった。来年以降もこの学会は発展し、日本から世界へ重要な情報を発信し続けるだろう。
書誌情報 Isotope News

号 2月, p. 36-37, 発行日 2008-02
ISSN
収録物識別子タイプ ISSN
収録物識別子 0285-5518
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