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1.3.2 放射線治療プロジェクト(平成20年度〜平成22年度) (1) 具体的な成果 (2) 今後の展望
https://repo.qst.go.jp/records/55813
https://repo.qst.go.jp/records/5581325363098-a4c8-4294-9f5d-8f8d52e23c67
Item type | 一般雑誌記事 / Article(1) | |||||
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公開日 | 2012-12-21 | |||||
タイトル | ||||||
タイトル | 1.3.2 放射線治療プロジェクト(平成20年度〜平成22年度) (1) 具体的な成果 (2) 今後の展望 | |||||
言語 | ||||||
言語 | jpn | |||||
資源タイプ | ||||||
資源タイプ識別子 | http://purl.org/coar/resource_type/c_6501 | |||||
資源タイプ | article | |||||
アクセス権 | ||||||
アクセス権 | metadata only access | |||||
アクセス権URI | http://purl.org/coar/access_right/c_14cb | |||||
著者 |
辻井, 博彦
× 辻井, 博彦× 辻井 博彦 |
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抄録 | ||||||
内容記述タイプ | Abstract | |||||
内容記述 | 1) 局所進行子宮頸がんに対する化学放射線療法の第2相研究(CERVIX-?) 本研究においては合計120名の患者が登録され分析された。5年間にわたり登録患者の97%が フォローアップされ、最後期の合併症は軽度あるいは中等度であり、グレード3-4の遅発性の直 腸と膀胱の合併症はそれぞれ7.97%と0%で、治療後5年の全生存率と局所制御率はそれぞれ 55.4%と76.8%であるという分析結果が得られた。本分析結果により、治療による急性副作用の 発生および程度は医学的根拠により許容範囲内であることが分かった。これは国際的に認知された臨床試験報告の成績と比較すると同程度あるいは優位であり、化学放射線併用療法が参加国の局所進行子宮頸がん患者にとって、利用可能で効果的な治療法であることが示された。 2) 局所進行子宮頸がんに対する拡大照射野による化学放射線療法の第2 相研究(CERVIX-IV) 本研究においては合計55名の患者が登録され、その内、分析に適すると判断された51名につ いて分析が行われた。本フェーズにおける初期分析結果は良好であったが、登録患者数はまだ十分ではないため、次期フェーズの開始年である平成23年度にさらなる患者の登録を募る必要がある。 3) 上咽頭がん(TxN2-3)に対する化学放射線療法の第2 相試験(NPC-?) 本研究においては過去3年間で121名の患者登録があり、治療の半年後に110例に対しCT評価 が行われた。本プロトコールは参加国において利用可能で毒性も医学的根拠により許容範囲と考えられており、今後の研究フェーズにおいて、本プロトコールの長期の有効性や毒性を確認することとする。 4) 上咽頭がん(T3-4 N0-1)に対する化学放射線療法の第2 相試験(NPC-?) 過去3 年間に実施された70 例の臨床試験において、74%の患者が全6 コースの化学療法を完 了した。毒性は制御可能なものばかりで、1 次効果としての腫瘍消失率(CR)は94%で、T-3 から T-4(腫瘍の大きさや浸潤度が重度のもの)という対象病期を考えれば満足できる結果である。最 終解析の結果、3 年全生存率は83%、5 年全生存率は59%であった。今後の研究フェーズにお いて100 名に達するまで登録患者を募る必要がある。 5) 上咽頭がんに対する化学放射線療法の第1/2 相試験(NPC-?) 15名の登録患者があり、今後の研究フェーズにおいてさらに登録患者を募る必要がある。 6) 外照射治療の品質保証/品質管理の評価 本フェーズは、フィリピン(聖ルーク医療センター)、日本(放射線医学総合研究所)、マレーシ ア(サワラク総合病院)、タイ(シリラジ病院)、バングラデシュ(デルタ病院)の5医療センターの16ビームについてガラス線量計および電離箱を用いて測定を行い、解析結果はすべて最適水準内であった。 7) 各国における放射線治療および開発されたプロトコールの普及 - 17 - 本プロジェクト活動を通して、各国における放射線治療に関する技術および意識が向上されて おり、また、本プロジェクトで開発されたプロトコールに基づいた効果的な治療の実施による経済効果が期待されている。さらに、開発されたプロトコールなどの成果は、関係する学会等で発表されており、各国において標準プロトコールとしてすでに利用されているか、あるいは今後利用されることが検討されている。また、韓国やタイでは、本プロジェクトで開発されたSBDD(腸管遮蔽用器具)が国内の病院で広く普及している。 さらに、オープンセミナー(一般公開講座)を通して放射線治療に関する知識を地域の住民や医 療関係者に広めた。 |
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書誌情報 |
アジア地域原子力協力に関する調査報告書 / 原子力安全研究協会 巻 平成21年度, p. 16-17, 発行日 2010-03 |