@misc{oai:repo.qst.go.jp:00086039, author = {長谷川, 純崇 and Sumitaka, Hasegawa}, month = {Apr}, note = {免疫チェックポイント阻害剤の登場もあり、がんに対する免疫治療の重要性が高まっている。驚くべき治療効果も報告されている免疫療法ではあるが、免疫療法単独での奏効率は10-30%と言われている。この奏効率を上げていることが現在、大きな課題となっている。腫瘍の免疫治療抵抗性を獲得するメカニズムは、腫瘍の免疫原性の欠損または低下、腫瘍の微小環境や免疫抑制機構による免疫からの逃避、腫瘍免疫の疲弊や免疫寛容等が報告されている。免疫療法の効果をより高めるために、治療効果を決定する生物因子やメカニズムの解明が望まれている。 一方、放射線治療においては放射線が宿主免疫を様々なメカニズムで修飾し、その詳細はブラックボックスであるものの抗腫瘍免疫を誘導する例が報告されている。特に、照射野外での腫瘍縮小効果として知られているアブスコパル効果については、免疫の関与が示唆されており、放射線による宿主免疫反応を考える上で非常に興味深い視点を与えている。このように放射線治療の際に誘導される免疫反応への医学および生命科学的関心にも導かれて放射線と免疫の併用治療への期待は世界的に高まっている。実際、海外を中心に免疫チェックポイント阻害薬とX線治療の併用試験が数多く実施されている。 免疫チェックポイント阻害薬とX線治療の併用試験では有望な結果も出てきてはいるものの、依然としてその免疫生物学的メカニズムは不明な点が多く、今後の放射線と免疫の併用治療を更に効果的な治療にしていくためには、メカニズム解明を志向した基礎研究が不可欠である。その成果を基にして今後、真に画期的となる放射線と免疫の併用治療が開発されることであろう。 本会では、我々のグループにおける放射線による宿主免疫反応に関するデータを紹介しつつ、基礎研究の立場から放射線と免疫の併用治療の成功に向けて今後明らかにすべき課題や開発すべき技術等について議論したい。, 第27回癌治療増感研究会}, title = {免疫療法の基礎と臨床①:基礎研究からの視点}, year = {2022} }