@misc{oai:repo.qst.go.jp:00085780, author = {松本, 謙一郎 and 牧野, 祐典 and 上野, 恵美 and 荘司, 好美 and 中西, 郁夫 and 福井, 浩二 and Kenichiro, Matsumoto and Yusuke, Makino and Megumi, Ueno and Yoshimi, Shoji and Ikuo, Nakanishi}, month = {Mar}, note = {水に放射線を照射すると水分子が主に電離され、水和電子(eaq-)やヒドロキシルラジカル(•OH)、水素イオン(H+)が生じる。続いてeaq-とH+が反応し、水素ラジカル(•H)が生じるものと思われる。これらの初期活性種の局所における生成密度が、活性種同士あるいは活性種と酸素との反応を決め、その後の2次的活性種の生成に深くかかわっていると思われる。本研究では、X線により水中に生成する•Hの局所濃度を電子常磁性共鳴(EPR)スピントラッピング法で5,5-dimethyl-1-pyrroline-N-oxide (DMPO) をトラップ剤として用いて定量的に測定し評価した。 DMPO水溶液の希釈列 (0.49 mM〜1700 mM) を調製し、一定線量のX線を照射した。. 照射後直ちにX-band EPR分光計を用いて試料溶液中に生したDMPO-HおよびDMPO-OHのEPRスペクトルの経時変化を測定した。測定したDMPO-HおよびDMPO-OH信号強度の減衰速度に基づいて、X線照射中の減衰を補正し、それぞれのスピンアダクトの正味の生成量を求めた。水の電離は放射線の軌跡上に生じるため、初期活性種の分布は3次元空間的に均一に生じるわけではない。そのため従来の濃度や密度の定義はこのような空間的に不均一な分布を評価するためには充分とは言えない。そこで新たに、ある距離に分子がいくつ存在するかを示す「直線密度」を提案した。直線密度(μm-1)は分子間距離(nm)の逆数として求められる。DMPO-OHあるいはDMPO-Hの正味の生成量(mol/L)をDMPOの直線密度に対してプロットした曲線の変曲点から、生成した•OHおよび•Hの直線密度および分子間距離を推定し、その局所濃度を評価した。 DMPO-OH生成量のDMPO直線密度に対するプロットは4相の曲線を示し、1相目と2相目の変曲点および3相目と4相目の変曲点から、数mmol/Lレベル(分子間距離として4~8 nm)と数mol/Lレベル(分子間距離として0.8 nm)の2つの異なる局所濃度で生成している事が予想された。DMPO-H生成量のDMPO直線密度に対するプロットは2相の曲線を示し、3相目と4相目の成分は見られなかった。1相目と2相目の変曲点の横軸(直線密度)上の位置および縦軸(生成量)上の位置はほぼ同じと思われ、この反応系においては比較的疎な電離によって生じている•H生成のみが確認できた。水中で電離が極めて密に生じた場合には、eaq-が消失しやすい、あるいは高濃度のDMPOの中で電離が極めて密に生じても水分子が少ないためeaq-が生じ難いなどのため•Hが生じないなどの可能性が考えられる。DMPO-H生成量のプロットの2相目は、全く平というわけではなく、1000 μm-1辺りまで徐々に増加してそれ以上で低下していることから、1000 μm-1辺りまで3相目による増加成分を含むと思われ、後者の理由により高濃度のDMPOの中ではeaq-生成が妨げられている可能性が強い。, 日本薬学会第142年会}, title = {X線を照射した水中に生成する水素ラジカルの局所濃度の測定}, year = {2022} }