@misc{oai:repo.qst.go.jp:00085549, author = {小平, 聡 and 楠本, 多聞 and 小西, 輝昭 and 李, 惠子 and 長谷川, 純崇 and Satoshi, Kodaira and Tamon, Kusumoto and Teruaki, Konishi and Li, Huizi and Sumitaka, Hasegawa}, month = {Jul}, note = {放射性同位元素(RI)を用いた標的アイソトープ治療は、根治が難しい転移がんや播種がんの治療法として期待されている。211Atや225Ac等から放出されるアルファ線は、高いLET(線エネルギー付与)を持つために生物効果が大きく優れたがん殺傷能力を有するとともに、細胞内での飛程が短いために周辺正常細胞への副作用が少ない利点がある。一方で、RI標識薬剤の投与量に対してどれくらいの線量ががん細胞(腫瘍)へ実際に投与されたのか、またがん細胞や正常細胞へのRIの集積分布がどうなっているのか、に関する実験データは少なく、またその測定手法についても確立されていないのが現状である。そこで本研究では、単一細胞レベルでアルファ線の局所線量や集積率を定量評価するために、サブミクロンの位置精度でアルファ線一つ一つを計測し、細胞レベル(µm)から腫瘍全体(cm)にわたる線量分布をイメージングする計測技術の開発を目的とした。 2. 方法  アルファ線の通過痕をイオントラックとして検出するCR-39固体飛跡検出器を用いた。イオントラックの大きさは入射粒子のLETの関数となるためLET分布が得られるとともに、顕微鏡分解能でイオントラックの位置分布が得られる。211Atを標識したHER2抗体(トラスツズマブ)をヒト胃がん細胞(NCI-N87)に結合させる系において、細胞ならびに肝転移モデルマウスの肝臓組織切片をCR-39上に載せ、それらの顕微鏡画像と放出されたアルファ線のイオントラック情報を対応付けた。 3. 結果および考察  単一細胞から放出されるアルファ線の放出数分布を求めた結果、211Atトラツズマブのヒト胃がん細胞への結合効率を80%と評価した。モデルマウス実験では、腫瘍組織内にアルファ線トラックが集中していることが分かった。正常組織に対するがん組織のアルファ線トラックのフルエンス比は6.0±0.2であり、細胞レベルでの線量分布は非常に不均一であることが分かった。肝転移モデルマウスの治療効果の実証実験においては、組織切片内での腫瘍組織の吸収線量は正常組織のそれと比べて約12倍の線量集中性を確認した。これは従来のマクロな臓器レベルで評価される放射能平均値では評価しきれていない線量の不均一性によるものと考えられる。 4. 結論  マイクロドシメトリ的なアプローチによるイオントラック計測技術と生物試料を融合した系を確立したことによって、アルファ線局在集積によるがん殺傷効果の直接的なエビデンスを提示できるようになった。, 第58回アイソトープ・放射線研究発表会}, title = {アルファ線放出核種を用いた標的アイソトープ治療に資する 局所線量分布イメージング技術}, year = {2021} }