@misc{oai:repo.qst.go.jp:00085187, author = {福田, 美保 and 鄭, 建 and 山崎, 慎之介 and 青野, 辰雄 and Miho, Fukuda and Zheng, Jian and Shinnosuke, Yamazaki and Tatsuo, Aono}, month = {Mar}, note = {1. はじめに  2011年3月の東京電力 福島第一原子力発電所 (FDNPS)事故に伴い、多くの種類の放射性核種が環境中へと放出された。これまで陸域や海域で採取された環境試料中のPu同位体の濃度や濃度比、原子数比からグローバルフォールアウト(GF)やFDNPS事故の影響を明らかにする研究が行われ、土壌の一部試料でFDNPS事故により放出されたPuが検出されている (e.g. Imanaka et al., 2012, Jaegler et al., 2018, Zheng et al., 2012)。一方、237NpについてはORIGEN modelを用いたFDNPS事故当時の原子炉や使用済み核燃料中の237Np/239Pu原子数比の推定値が報告されている(Nishihara et al., 2012)が、環境中へ放出されたのか?、もし放出していた場合にどのくらいの量が環境へと移行していたのか?については明らかにされていない。これは、一般に土壌を含めた環境試料中の237Np濃度が239+240Pu濃度に比べて3オーダー低いためである。237Npはα線放出核種であることと、半減期が2.14×106 年と長いことから長期間にわたる環境中の挙動を明らかにすることは内部被ばく評価や核燃料廃棄物処理の観点からも重要な核種の1つである。本発表では土壌試料中に含まれる237NpとPu同位体から、1) FDNPS事故による放出と推定できる241Pu(半減期:14.4年)が検出された層における237Np濃度や237Np/239+240Pu濃度比、237Np/239Pu原子数比、2) 241Puが検出された層の237Npの起源推定、3) 237Npと239+240Pu鉛直方向の移行速度について報告する。 2. 試料採取および分析方法  2017年9月に福島県浪江町でスクレバープレートを用いて土壌試料(測点A-E, 図1)を採取した。実験室に持ち帰ったのちに風乾し、マッフル炉を用いて最高温度450℃で約4時間灰化することで有機物を除去した。灰化した試料をテフロン容器に入れ、回収率を算出するためのトレーサーとして242Pu 0.57 pgを添加し、硝酸とフッ酸を入れて混合したのちにホットプレートを用いて160℃で約4時間加熱した。冷却後、フッ化カルシウムとフッ化ランタン (CaF2/LaF3) 共沈を行なった。その後、硝酸 (HNO3)を用いて7.2 MHNO3溶液に調整し、AG MP-1M resinを用いてカラム分離を行い、237Npと239Pu、240Pu、241Pu、242Puの同時抽出を行なった (Huang et al., 2019)。得られた最終溶離液をSF ICP-MSを用いて測定を行なった。 3. 結果  福島第一原発から約10 kmに位置する、測点D (森林土壌)のリター層および深さ0-2.5 cm(n=6)においてPu同位体が検出され、241Pu濃度(2011年3月15日に壊変補正)は(765±242) mBq/kg-dryから(4205±441) mBq/kg-dryであった。241Puが検出された層の237Np濃度は(0.10±0.01)から(0.88±0.04) mBq/kg-dryで、1960年代から2000年代に日本各地で採取されたGF由来の土壌、水田、湖沼堆積物などの濃度 (e.g. Sakanoue et al., 1987, Yamamoto et al., 1990, 1991, 1994, Huang et al., 2019)に比べて、放射壊変を考慮しても最大で2オーダー低かった。237Np/239+240Pu濃度比は(0.19±0.3)×10(-3)から(3.1±0.4)×10(-3)であり、GF由来のものと概ね同じオーダーを示していた。発表では他の測点の土壌中の237NpおよびPu同位体濃度やそれらの濃度比、237Np/239Pu原子数比を踏まえた237Np起源推定、237Npと239+240Puの移行速度についても報告する。 謝辞:本研究の成果は福島県放射線医学研究開発事業補助金の一部である。, 第23回「環境放射能研究会」}, title = {土壌中の237NpとPuについて}, year = {2022} }