@misc{oai:repo.qst.go.jp:00085115, author = {新井, 栄揮 and 清水, 瑠美 and 安達, 基泰 and Shigeki, Arai and Rumi, Shimizu and Motoyasu, Adachi}, month = {Mar}, note = {一部の磁覚保有種の網膜細胞に存在する蛋白質クリプトクロム (CRY)は、地磁気程度の磁場を検出できる量子磁気センサーとして機能しうることが、多くの研究者によって明らかにされつつある。現在提唱されている仮説では、青色光照射によって生じるCRY内のラジカル対の電子スピンが磁気情報を受容していると考えられている[1,2]。一方、CRYの構造学的・分子論的研究は大幅に不足しており、そのため、量子レベルの微弱な磁気情報をCRYから神経系へ伝達して知覚化する仕組みは明らかにされていない。そこで本研究では、磁気受容機能発揮時(青色光照射下)におけるヨーロッパコマドリ由来CRY4 (erCRY4)の構造学的特徴や分子挙動を、X線小角散乱法(SAXS)及びサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)により精査した。放射光施設Photon Factory BL-10Cを利用してSAXS解析を行った結果、erCRY4単量体は、454nmの青色光を照射することにより、最大径Dmaxが77 Åから74 Åへ減少することが明らかになった。また、SAXSデータに基づくerCRY4単量体のAb-initioモデリングを行った結果、青色光照射によりerCRY4の三次構造が収縮することが示唆された。一方、SECによる分析では、青色光照射により、ゲルろ過カラム内のerCRY4の保持時間が短縮されることが明らかになった。これらの結果から、青色光照射は、erCRY4の自己会合性を増大させる構造変化を誘導すると推察された。青色光照射により網膜細胞内のerCRY4の自己会合性が増大すれば、erCRY4が生じるラジカル対の細胞内局所濃度が増大し、これにより、磁気情報のシグナルが増幅される可能性がある。 [1] Ritz T, et al., Biophys J. (2000) 78, 707 [2] Maeda K, et al., PNAS. (2012) 109, 4774, 2021年度量子ビームサイエンスフェスタ}, title = {青色光照射によって誘導されるクリプトクロム4の構造変化と自己会合}, year = {2022} }