@article{oai:repo.qst.go.jp:00085005, author = {小山, 佳 and 南本, 敬史 and Kei, Oyama and Takafumi, Minamimoto}, issue = {8}, journal = {CLINICAL NEUROSCIENCE}, month = {Aug}, note = {前頭前野(prefrontal cortex, PFC)は系統発生的にヒト を含む霊長類で最も発達した脳領域であり,意思決定と行 動選択を含む種々の高次脳機能の中枢として知られてい る1).しかし,これらの機能はPFC 単独で生み出されてい るのではなく,尾状核(caudate, CD)や視床背内側核 (mediodorsal nucleus, MD)といった皮質下領域との協調 が重要な役割を担うことが示されてきた.例えば,ワーキ ングメモリや意思決定といった特にPFC の背外側部が関 与する機能は,CD やMD の損傷によっても障害され る2,3).また,このような機能障害に伴ってPFC—CD, PFC—MD 間の機能結合が変容することが神経疾患や依存 症の患者を対象とした機能画像研究によって示唆されてい る4~6).しかし一方で,各経路がどのような機能に関わる のかについてはいまだ不明である.  これを知るためには,各経路の神経伝達を個別に操作す る技術が必要不可欠である.この十年来の急速な分子遺伝 学的手法の発展に伴い,光遺伝学や化学遺伝学と呼ばれる 神経活動操作技術が開発され,マウスを代表とする小型哺 乳動物において特定の神経路の機能を阻害することが可能 となってきた.また,サルにおいても遺伝学的な操作技術 が適用されてきており,二種類のウイルスを同時に感染さ せる方法や7,8),光遺伝学的手法などによる9~11)神経活動操 作の成功事例が報告されている.しかしこれらの手法は, 同一個体内において複数の神経経路の機能を個々に抑制す るには不向きであり,また,投射元と投射先の二点間の解 剖学的位置関係を正確に同定する必要があるため,実験に 使用できる数が限られるサルを対象とする場合には,それ らが技術的・実践的な障壁となる.  我々は化学遺伝学的手法の一つ,DREADDs(designer receptors exclusively activated by designer drugs)と呼ばれる神経活動操作手法と陽電子撮像法(positron emission tomography, PET)を融合した技術を確立し,サルに適用 することでPFC—CD およびPFC—MD の2 つの経路を生 体で画像化するとともに,それぞれの神経伝達を一時的に 抑制することで高次脳機能における特異的な役割について 調べた12).本稿では,技術的な解説を含め明らかとなった 経路特異的な役割について紹介する.}, pages = {960--964}, title = {化学遺伝学的手法を用いて明らかとなった 前頭前野—皮質下経路の特異的な役割}, volume = {39}, year = {2021} }