@misc{oai:repo.qst.go.jp:00084899, author = {前川, 雅樹 and 宮下, 敦巳 and 河裾, 厚男 and Masaki, Maekawa and Atsumi, Miyashita and Atsuo, Kawasuso}, month = {Dec}, note = {数keVのエネルギーを持つ陽電子ビームを物質に打ち込むと、拡散して表面に戻ってきた陽電子が最表面電子とポジトロニウム(Ps)を形成して消滅することがある。この時、陽電子ビームがスピン偏極していれば、オルソポジトロニウムの三光子消滅強度の変化から最表面の電子スピン偏極状態を知ることができる。Psの仕事関数が負になる物質では、放出されたPsの最速成分がフェルミ面近傍の電子スピン状態を反映するため、物質最表面において電気伝導に寄与する電子のみのスピン偏極状態を得られる。我々はそのような測定が可能なスピン偏極Ps飛行時間測定(SP-PsTOF)装置を開発した。本装置で測定されたニッケル薄膜表面のSP-PsTOFスペクトルは、フェルミエネルギー(~0eV)近傍でスピン偏極率が負に傾く現象を捉えているが、第一原理計算で求まるスピン偏極率分布とは異なって見える。これはエネルギー分解能と引き換えに計測効率を高めたことに起因しており、装置分解能でコンボシューションを施した計算結果は実験結果をよく反映する。現在の測定ジオメトリではフェルミ準位付近(0eV付近)のエネルギー広がりは1.5eV程度となり、ハーフメタルなど実用材用の評価で望まれるエネルギー領域(フェルミ準位下0.1~0.5eV)を精度良く観測することが難しい。そこで計数率低下を抑えつつ分解能を向上させるべく、検出器の追加や測定系の最適化などの改良を進めた。その結果、改良後のスペクトルには、それまで低分解能のために訛されていたフェルミ面下0.5~1.5 eV付近の強度上昇を伴う構造が現れ、モンテカルロ計算との比較から分解能は0.5eVに向上したと考えられる。今後はハーフメタル表面のスピン偏極率測定などの表面スピン研究に本装置を活用していく予定である。, 京都大学複合原子力科学研究所専門研究会「陽電子科学とその理工学への応用」}, title = {スピン偏極ポジトロニウム分光法の開発}, year = {2021} }