@misc{oai:repo.qst.go.jp:00084492, author = {岡崎, 宏之 and 出崎, 亮 and 松村, 大樹 and 池田, 隆司 and 越川, 博 and 山本, 春也 and 八巻, 徹也 and Hiroyuki, Okazaki and Akira, Idesaki and Takashi, Ikeda and Hiroshi, Koshikawa and Shunya, Yamamoto and Tetsuya, Yamaki}, month = {Dec}, note = {我々は、これまでにAr+照射して欠陥を導入したグラッシーカーボン(GC)基板に担持したPtナノ粒子の酸素還元反応(ORR)活性が、未照射の場合に比べて2.5倍に向上することを見いだし[1]、Ptナノ粒子の構造や電子状態の観点からその起源を明らかにしてきた[2,3]。しかし、イオン照射によるGC担体への欠陥導入が、酸素がPtナノ粒子に吸着しH2OになるORR過程[4]にどのような影響を与えているのかは分かっていない。そこで本研究では、GC担体へのイオン照射がORR初期過程である酸素吸着にどのような変化を与えているのかを明らかにするために、吸着酸素との結合に直接関与するPt 5d軌道の非占有準位を観測できるXAFS測定を用いて、GC担持Ptナノ粒子を酸素曝露したin situ測定を行った。 GC基板に380 keV Ar+を照射量7.5×10^15 ions/cm^2で照射した後、スパッタ蒸着によってPtナノ粒子を基板上に形成し、照射試料を作製した。Pt 5d軌道の遷移するPt L3吸収端XAFS測定をSPring-8 BL14B1にて行った。最初に、H2雰囲気下100℃で10分間加熱する還元処理することで測定試料の吸着酸化物を除去し、He置換して室温に戻してXAFS測定を行った後に、室温でO2置換して酸素暴露した状態でXAFS測定を行い、酸素暴露前後のXAFSスペクトルの差分から酸素吸着によるPtナノ粒子の電子状態変化を導出した。欠陥導入による酸素吸着状態の変化を観測するために、GC基板にPtナノ粒子を形成した未照射試料も作製し、同様の実験を行うことで差分スペクトルを導出し比較した。 未照射試料および照射試料の差分スペクトルでは、酸素と結合したPtの電子状態変を導出しているため、凸ピークはそのエネルギー位置に新たな電子状態が形成されたことを意味する。これらの差分スペクトルに対してローレンツ関数を用いたフィッティングを行った。未照射試料では11561.9 eVの1ピーク(以下ピーク1とする)でフィッティングできたのに対し、照射試料ではピーク1に加えてそれより高エネルギー側にピーク2を追加することで良いフィッティング結果が得られた。このピーク1のエネルギー位置はPt L3吸収端のピーク位置 (11562.3 eV)とほぼ同じであり、過去文献の酸素暴露前後でPt L3吸収端ピークが増加したことから[4]、ピーク1はPtへの酸素吸着(Pt-O)に起因していることは分かる。ピーク2はより強く酸素と結合した酸素含有種と考えられるが、その起源については検討中である。 ピーク1のエネルギー位置に関して、未照射試料と照射試料を比較すると、照射試料の方が0.7 eV低エネルギー側にあることが分かった。これはPt-O反結合性準位の低下を意味するため、反結合準位への電子充填が起こりやすくなることを示唆し、イオン照射によるカーボン担体への欠陥導入によって、Pt-Oが弱結合化して酸素離脱が容易に変化していることが分かった。欠陥導入によるPt-Oの弱結合化の起源を解明するために、分子動力学計算によるORRシミュレーションの結果との比較を行った。GC担体への欠陥導入によってPtからCへの電子移動量が増加することで、Pt 5軌道のエネルギー準位が変わる。その結果、吸着酸素2p軌道と混成するPt 5d軌道が変わることで、Pt 5d軌道の広がる方向が異なるために吸着酸素2p軌道との混成が弱くなってPt-Oが弱結合化することが分かった。, QST高崎サイエンスフェスタ2021}, title = {炭素担体へのイオン照射によるPt ナノ粒子触媒の酸素吸着状態の変化}, year = {2021} }