@misc{oai:repo.qst.go.jp:00084386, author = {徳田, 隆彦 and Takahiko, Tokuda}, month = {Oct}, note = {2021年6月に米国で、アルツハイマー病(AD)に対する初めての疾患修飾薬アデュカヌマブがFDAで承認されたことは記憶に新しい (日本でも承認申請中)。このような根本治療薬の登場を受けて、発症早期からプレクリニカル期の認知症患者の脳病態を正確かつ効率的・非侵襲的に診断する方法が求められており、そのための画像・体液バイオマーカー(BM)の開発研究も目覚ましい進展を遂げている。とくに、ADでは、脳内での疾患特異的な異常蛋白蓄積をPET検査によって画像化できるようになっており、これらの画像BMは病理診断に代わりうる確定診断ツールとなりつつある。しかし、PET検査は効率性が低い・コストがかかる、などの弱点があり、頻度の多いADのような疾患では克服すべき課題となる。このようなPET検査の弱点を補完できる血液BMの開発が強く希求されており、最近のイノベーションによって、その臨床応用が現実のものになりつつある。ADの脳病理にはstageがあり、近年の国際的なBMの枠組みでは、ATN-BMでこれを分類することが提唱されている。2018年に提唱されたオリジナルのATN-BMシステムでは、体液BMはすべて髄液BMであったが、現在は、我々を含めた多くの研究室で、それらを血液で測定できるようになっている。すなわち、A-BMとしてのAβ42/40比、T-BMとしてのリン酸化タウ、およびN-BMとしてのNfLが、全て血中で定量可能であり、国際的にもこれらのBMの有用性が続々と報告されている。また、ADだけでなく全ての認知症性疾患の脳病態を包括的に診断するためには、ATNの枠組みを超えたさらに多項目化されたBMセット、すなわちα-シヌクレイン、TDP-43、炎症BMなどを含む多項目BMセットが必要になってくる。さらに、今後の疾患修飾薬の治験に向けては、治験対象者のより精緻な層別化と治療効果判定のために、ATN-BMのような2値化した判定ではなく、定量的なBMが必要である。われわれ量研機構(QST)では、画像BMと体液(主に血液)BMを相互促進的に開発・検証して、最終的には、これらを一体化した多項目BMシステム(ProVENシステム)を開発・検証・臨床応用することを目指している。 本講演では、国際的な血液BMの現状と今後の展望について紹介し、QSTにおける血液BMの開発研究および近未来の目標についても紹介したい。, 日本神経治療学会(第39回)}, title = {DMTを見据えた末梢血バイオマーカーの開発}, year = {2021} }