@misc{oai:repo.qst.go.jp:00084126, author = {大島, 康宏 and 鈴木, 博元 and 花岡, 宏史 and 佐々木, 一郎 and 渡辺, 茂樹 and 羽場, 宏光 and 荒野, 泰 and 対馬, 義人 and 石岡, 典子 and Yasuhiro, Oshima and Ichiro, Sasaki and Shigeki, Watanabe and Noriko, Ishioka}, month = {Dec}, note = {【はじめに】α線標的アイソトープ治療は、投与された放射性薬剤が全身のがん病巣に分布し体内からα線照射する全身療法であり、難治性癌に有効な新たな治療法として注目を集めている。この治療法を普及させるためには、薬剤集積に利用されている分子標的として、癌種を問わず癌細胞特異的に発現するタンパク質を利用するのが理想的である。L型アミノ酸トランスポーター1(LAT1)は、様々なタイプの癌に特異的且つ高度に発現しているタンパク質であり、LAT1を狙ったα線標的アイソトープ治療薬は広範な癌へ応用可能と見込まれる。我々は、これまでに陽電子を放出する18Fや76Brを標識したLAT1標的αメチルフェニルアラニン誘導体を開発し、LAT1依存的な腫瘍集積と共に、PETイメージングによって腫瘍を明瞭に描出できることを示した。18F及び76Brはどちらもハロゲンであるため、α線放出ハロゲンである211At標識体とすることで、LAT1を狙った新たな癌治療薬を開発できる可能性がある。そこで、本研究では211At標識αメチルフェニルアラニン誘導体として、2-[211At]astato-α-methyl-L-phenylalanine (2-[211At]AAMP)を新たに合成し、治療薬としての有用性を評価した。 【方法】211Atは209Bi(α,2n)211At 反応によって製造し、乾式蒸留法により分離精製した。スズ化標識前駆体に対してN-chlorosuccinimide存在下で211Atを標識することで2-[211At]AAMPを合成した。2-[211At]AAMPの体内安定性は、マウス投与後の尿分析によって検討した。LAT1発現ヒト卵巣がん細胞であるSKOV3細胞を利用して、2-[211At]AAMP の細胞内取込み及び細胞障害活性を検討した。更にSKOV3細胞を移植した担癌モデルマウスを作製し、2-[211At]AAMP の体内分布及び治療実験を実施した。 【結果及び考察】2-[211At]AAMPを標識合成後、薄層クロマトグラフィー(TLC)分析を行った結果、2-[211At]AAMP の放射化学的収率は20.9±3.3%、放射化学的純度は95%以上、比放射能は0.6 GBq/μmolであった。担癌マウスにおける体内分布では、2-[211At]AAMPは投与30分後に腫瘍集積がピークとなり、投与60分後まで腫瘍集積が保持された。一方、2-[211At]AAMPは正常臓器に滞留することなく速やかに尿中に排泄された。尿TLC分析の結果、90%以上が2-[211At]AAMPとして存在したため、2-[211At]AAMPは生体内で安定に存在することが示唆された。2-[211At]AAMPの細胞内取込みは、LAT1選択的阻害薬処置によって抑制された。2-[211At]AAMPによる細胞障害活性では、10 kBq/mlで細胞増殖活性が有意に低下し、25 kBq/mlでは細胞死及びDNA二重鎖切断が認められた。これらの結果から、2-[211At]AAMPがLAT1によって細胞内に輸送され、α線照射によって細胞増殖を抑制したことが示唆された。担癌マウスに2-[211At]AAMPを2 MBq投与した結果、コントロール群に比べ治療群の生存率が有意に増加した。治療実験中、重篤な副作用は認められなかった。以上の結果より、2-[211At]AAMPがLAT1陽性癌に対して有効な治療薬となる可能性が示唆された。将来的に、2-[211At]AAMPの様々な癌への応用が期待される。, QST高崎サイエンスフェスタ2021}, title = {LAT1を標的とした新規α線標的アイソトープ治療薬: 2-[211At]astato-α-methyl-L-phenylalanine の非臨床評価}, year = {2021} }