@article{oai:repo.qst.go.jp:00083206, author = {藤咲, 貴大 and 五十嵐, 龍治 and Takahiro, Fujisaku and Ryuji, Igarashi}, journal = {センサイト}, month = {Aug}, note = {我々科学者にとってpHというパラメータは馴染みが深い。それはpHが様々な化学種の活性を制御する物理量だからである。したがって、多様な化学種が混在している生体内部では、pHは特に重要である。生体内のpHは微小空間ごとに厳密に制御されており、これが高次な生命現象の発現に深く関与している。そしてこの生体内のpH異常は、脳卒中や心不全、自己免疫疾患など様々な生命現象、疾患に関連している。例えば、がん細胞においては細胞表面の数ナノメートルの微小空間でpHが酸性に傾いており、このことががん細胞の転移、組織浸潤に影響を与えているとされている。したがって、微小空間のpHをモニターすることが可能になれば、生命現象の基礎的な理解が深まるだけでなく、創薬をはじめとする医療分野にも貢献できると期待される。このような微小空間のpH測定を実現するためには、一つの細胞(約20µm)よりも小さなpHセンサが必要である。しかしながら、我々が通常のpH測定で用いるリトマス試験紙やpHメーターはこれよりも遥かにサイズが大きいため、このような微小空間のpH測定に使用することはできない。 我々のグループでは、微小なpHセンサを開発するための材料として蛍光ナノダイヤモンド(Fluorescent Nanodiamond,FND)に注目した。FNDはナノメートルサイズのダイヤモンド粒子であり、微小空間における温度や磁場を測定可能な超高感度センサとして近年注目を集めている。このセンサの動作原理の根幹を担っているのが、FNDの内部に存在する窒素-空孔中心(Nitrogen-Vacancy Center,NVC)である(図1a)。NVCはダイヤモンド中の炭素原子が、隣り合った窒素と空孔に置き換わった格子欠陥である。このNVCに電子が一つトラップされることで、以下に示す3つの特異な量力学的性質を示すようになる。}, title = {ダイヤモンドを用いたナノメートルサイズのpHセンサ}, year = {2021} }