@misc{oai:repo.qst.go.jp:00083043, author = {大澤, 大輔 and 小林, 亜利紗 and 及川, 将一 and 小西, 輝昭 and Daisuke, Ohsawa and Alisa, Kobayashi and Masakazu, Oikawa and Teruaki, Konishi}, month = {Jun}, note = {粒子線がん治療はブラッグピークの線量集中性を活かし、有効ながん治療法としての地位を確立している。しかしながら、粒子線飛跡に沿った微視的線量分布(トラック構造)と細胞致死の主因であるDNA二本鎖切断や複雑なDNA損傷、細胞応答との相関には未だ不明な点が多い。マイクロビーム細胞照射装置SPICEは、3.4 MeV陽子線を直径~2 μmの極小領域に集束させることで、単一細胞レベルで細胞核内局所線量分布を自在に変えて高速照射が可能である。この優位性を生かし、本研究では、細胞核内への陽子線の(複数)照射箇所と照射粒子数を時空間的に制御することで、DNA損傷の複雑性を多様に生起させ、その際のDNA二本鎖切断修復タンパク質(γ-H2AX, 53BP1, p-ATM, Rad51, Mdc1等)の動態を免疫蛍光染色法により経時的に追跡することで、損傷認識・修復応答機構の解明を目指す。  これまでに、細胞蛍光画像内の蛍光スポット強度・面積を高速自動定量する細胞蛍光画像解析ImageJマクロを開発し、優れた空間分解能と検出感度について大きなダイナミックレンジを有する蛍光飛跡検出器(FNTD)を用いたビームサイズの高精度評価法、並びに、アモルファストラック構造モデルを用いた細胞核内局所線量分布の計算手法を確立した。得られた局所線量分布は、ビーム中心部でのコア由来のシャープな高線量ピーク群とビーム周辺部でのペナンブラ由来の低線量ブロード凸型分布の2成分から成っており、また、照射粒子数の増加に伴い(特にビーム中心部で)増大し、照射粒子数を制御することで、異なる線質を模擬しうることを示した。さらに、照射細胞核内のγ-H2AX蛍光スポット強度・面積の1箇所当たりの照射粒子数依存性を調べたところ、強度については、低粒子数では粒子数の増加に伴いほぼ線形に増大するものの、高粒子数(≧300個/1箇所)では飽和し始め、細胞核内の残存リン酸化部位の消失を示唆した。一方、面積については、高粒子数(≧100個/1箇所)になるにつれてビームサイズを超えて広がり、細胞核内局所線量分布との比較から、コアのみならずペナンブラ線量がDNA二本鎖切断損傷誘発に有意に寄与することが分かった。本発表では得られた結果の詳細を報告する。  本研究の一部は日本学術振興会 科学研究費補助金 基盤研究(B) (20H03634)の助成を受けて実施された。, 第33回タンデム加速器及びその周辺技術の研究会}, title = {SPICEマイクロビームを用いたDNA損傷複雑性の時空間制御によるDNA二本鎖切断 修復タンパク質の応答解析}, year = {2021} }