@misc{oai:repo.qst.go.jp:00082937, author = {森田, 明典 and 王, 冰 and 田中, 薫 and 勝部, 孝則 and 村上, 正弘 and 下川, 卓志 and 西山, 祐一 and 越智, 進太郎 and 佐藤, 秀哉 and 根井, 充 and 青木, 伸 and Akinori, Morita and Bing, Wang and Kaoru, Tanaka and Takanori, Katsube and Masahiro, Murakami and Takashi, Shimokawa and Yuichi, Nishiyama and Shintaro, Ochi and Mitsuru, Nenoi}, month = {Jun}, note = {粒子線治療を始めとする高精度放射線療法の進展は目覚ましく、線量集中性および処方線量の向上によって高い治療効果が得られるようになった。しかしながら、高精度放射線治療が普及しつつある現在も依然として正常組織障害が処方線量の限界を決めている。生命科学の知見を応用した正常組織選択的防護剤の開発は、放射線治療における線量限界を克服する有効な手段の一つと考えられ、リスク臓器防護による1回照射線量の増大と有害反応の抑制がもたらす寡分割照射の実現、あるいは処方線量の向上が期待される。また、近年、ラジカル消去作用に依拠せず、細胞死機構を制御することで生体の放射線耐性を高める防護剤開発が進みつつある。このような細胞死制御剤は、直接作用の寄与が高いとされる粒子線障害の防護にも有効であると考えられた。  p53制御剤は、正常なp53機能をもつ正常細胞のアポトーシスを選択的に抑制し、p53機能を喪失しているがん細胞は防護しないため、正常組織選択的な放射線防護剤としての応用が期待されている。また、粒子線細胞死については、85 keV/µm以上の高LET放射線ではp53依存性を示さないことが固形腫瘍由来培養細胞を用いて明らかにされているが、リスク臓器の中でも高い放射線感受性を示す骨髄と腸上皮の粒子線障害におけるp53依存性については不明であった。  最近の研究により、p53は、骨髄死ではアポトーシスを促進する因子として、腸死では分裂死を防ぐ抵抗性因子として機能することが明らかにされている。我々は、骨髄死に有効な「p53阻害剤」としてオルトバナジン酸ナトリウム(バナデート)を、また、腸死に有効な「p53調節剤」として5-クロロ-8-キノリノール(5CHQ)を発見しており、本研究では、これらの化合物の有効性をマウス個体(8週齢雌性ICRマウス)の照射後の60日生存率を指標として評価した。線質については、先行研究でp53依存的な致死作用を示した炭素線(14 keV/µm)と、p53非依存的な致死作用を示した鉄線(189 keV/µm)を用いた。  その結果、p53阻害剤であるバナデートは、炭素線全身照射試験に対して高い有効性を示した。また、鉄線全身照射試験においても、炭素線障害に比べて救命率は低いものの、有意な放射線防護効果を示したことから、85 keV/μmを超える高LET放射線障害においてもp53阻害による細胞死抑制が有効であることが明らかとなった。また、5CHQは炭素線腸障害の防護に有効であったが、鉄線腸障害に対する防護効果は得られなかった。鉄線腸障害に対する5CHQの無効性は、p53調節剤による高LET放射線腸障害の抑制が困難であることを示しているものと思われるが、5CHQより強い活性を持ったp53調節剤の発見によって防護効果が改善される可能性もあるため結論は保留したい。, 第58回日本放射線腫瘍学会生物部会学術大会・第49回放射線による制癌シンポジウム.}, title = {p53を標的とした 放射線防護剤の粒子線治療における役割}, year = {2021} }