@misc{oai:repo.qst.go.jp:00082653, author = {平野, 優 and 栗原, 和男 and 日下, 勝弘 and Ostermann, Andreas and 木村, 成伸 and 三木, 邦夫 and 玉田, 太郎 and Yuu, Hirano and Kazuo, Kurihara and Taro, Tamada}, month = {Dec}, note = {タンパク質分子を構成する原子のおよそ半数を占める水素原子は、触媒反応や酸化還元反応などの化学反応、さらに分子構造維持や分子認識に直接関与することが知られている。一方で、これまでタンパク質の立体構造解析においては、分子サイズや解析精度の制限から、水素の位置情報を含めた解析例は非常に限られたものであった。そのため、水素の位置情報については化学的な常識から推測されたものが利用され、反応機構などの議論がなされてきた。我々は、中性子回折とX線回折を相補的に利用し、水素の位置情報を含めたタンパク質分子の高精度立体構造解析を進めている。水素を含めたタンパク質分子の立体構造情報は、量子化学計算を含めた計算科学の結果をよく説明できることが示されており、構造生物学と計算科学の連携を深化させる量子構造生物学の創成に必要不可欠であると考えている。本講演では、哺乳類の肝臓小胞体において脂質や薬物の代謝に関与するNADH-シトクロムb5還元酵素(b5R)を用いた研究について発表する。b5Rはフラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)を補欠分子族として結合する酸化還元酵素であり、2電子供与体であるニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NADH)から1電子受容体であるシトクロムb5への電子伝達反応を担っている。b5Rの酸化還元反応サイクルにおいては、NADHからFADへのヒドリド(H-)移動およびFADからタンパク質外部へのプロトン(H+)移動を伴っている。これまでブタ肝臓由来b5Rを用い、FADを結合する酸化型については高分解能X線構造解析が進んでいる(M. Yamada et al., 2013; K. Takaba et al., 2017)。我々はさらに水素移動反応機構の理解を目指し、高分解能の中性子構造解析とX線構造解析を実施した。その結果、水素移動反応を理解する上で重要と考えられる立体構造情報を取得することが可能となった。また今回取得したような高精度立体構造情報は、水素移動反応における量子性(トンネル効果)の寄与を理解する上でも基盤となる情報であり、量子構造生物学を創成していく上で大きく貢献できると考えている。, 量子生命科学会第2回大会}, title = {量子構造生物学の創成を目指した酸化還元タンパク質の高精度立体構造解析}, year = {2020} }