@misc{oai:repo.qst.go.jp:00082599, author = {岡崎, 宏之 and 出崎, 亮 and 松村, 大樹 and 越川, 博 and 山本, 春也 and 八巻, 徹也 and Hiroyuki, Okazaki and Akira, Idesaki and Hiroshi, Koshikawa and Shunya, Yamamoto and Tetsuya, Yamaki}, month = {Dec}, note = {固体高分子形燃料電池の低コスト化に向けて、カソードの酸素還元反応(ORR)触媒として用いられるカーボン担持Pt ナノ粒子の活性を向上させ、使用量を低減させることが課題となっている。我々は、これまでにAr+照射により欠陥導入したグラッシーカーボン(GC)基板を担体としたPt ナノ粒子のORR 活性が、未照射の場合に比べて2.5 倍であることを発見し、Pt ナノ粒子の構造変化、電子状態変化の観点からその起源を明らかにしてきた。しかし、イオン照射によるカーボン担体への欠陥導入が、酸素から水に至るORR 過程(Pt ナノ 粒子へ酸素が吸着し(O2→2O*:*は吸着を意味する)、アノードから供給される電子と水素イオンと反応しH2Oになる(2O*+4H++4e-→2H2O))の反応経路にどのような影響を与えているのかは分かっていない。そこで本研究では、GC 担持Pt ナノ粒子を酸素に曝露しin situ でXAFS 測定を実施することによって、カーボン担体へのイオン照射が酸素吸着にどのような変化を与えているのかを明らかにすることを目指す。 GC 基板にAr+を380 keV で7.5×10^15 ions/cm^2 のフルエンスで照射した後、スパッタ蒸着によってPt ナノ粒子を形成した。酸素吸着等の化学反応に関与するPt の5d 軌道の非占有準位に遷移するL_3 吸収端のXAFS 測定をSPring-8 BL14B1 にて行った。水素還元して測定試料を清浄化した状態のXAFS スペクトルと清浄後に酸素暴露した状態のXAFS スペクトルの差分スペクトルから酸素吸着によるPt ナノ粒子のPt 5d 電子状態の変化を導出した。実験では試料を測定専用チャンバーに挿入し、水素ガス雰囲気下100℃で10 分間加熱すること で還元処理し、ヘリウムガスで置換した後でXAFS 測定し、その後に酸素ガス置換してXAFS 測定した。 未照射試料および照射試料の酸素雰囲気下でのXAFS スペクトルから還元直後のPt L_3 吸収端スペクトルの差分のフィッティング結果から、GC にイオン照射していない未照射試料では11562 eV 付近を中心とする1ピーク(以下ピーク1 とする)でフィッティングできたのに対し、照射試料ではピーク1 に加えてそれより高エネルギー側のピーク2 を追加することで良いフィッティング結果が得られた。ピーク2の起源に関しては、より強く酸素と結合した酸素含有種と考えられるが、詳細については検討中である。ピーク1 に関して、未照射試料と照射試料のエネルギー位置を比較すると、照射試料の方が0.7 eV 低エネルギー側にあることが分かった。差分スペクトルのピーク位置はPt と吸着した酸素との反結合軌道準位(Pt-O 反結合準位)を反映しているため、この結果はPt-O 反結合性準位がエネルギー的に低下して、Pt-O 結合性準位と反結合準位間のエネルギー幅が縮まっている可能性を示す。したがって、イオン照射によるカーボン担体への欠陥導入によってカーボン担持Pt ナノ粒子では、酸素吸着時にPt と酸素の結合は弱くなることが考えられる。, QST高崎サイエンスフェスタ2020}, title = {イオンビーム照射によるカーボン担持Pt ナノ粒子の 吸着酸素との弱結合化}, year = {2020} }