@misc{oai:repo.qst.go.jp:00082597, author = {岡崎, 宏之 and 出崎, 亮 and 越川, 博 and 松村, 大樹 and 山本, 春也 and 八巻, 徹也 and Hiroyuki, Okazaki and Akira, Idesaki and Hiroshi, Koshikawa and Shunya, Yamamoto and Tetsuya, Yamaki}, month = {Mar}, note = {固体高分子形燃料電池の低コスト化に向けて、カソードの酸素還元反応(ORR)触媒として用いられるカーボン担持Ptナノ粒子の活性を向上させ、使用量を低減させることが課題となっている。我々は、これまでにAr+照射グラッシーカーボン(GC)基板を担体としたPtナノ粒子の酸素還元反応(ORR)活性が、未照射の場合に比べて2.5倍に向上することを見いだし1、Ptナノ粒子の構造や電子状態の観点からその起源を明らかにしてきた2,3。しかし、イオン照射によるGC担体への欠陥導入が、酸素がPtナノ粒子に吸着しH2OになるORR過程にどのような影響を与えているのかは分かっていない。理論研究では、酸素吸着に関わるPtのdバンドセンターが高いため、Ptナノ粒子では吸着酸素との結合が強くて、ORRは酸素の解離律速になっているが4、グラファイト担体に欠陥導入することでdバンドセンターが低下することが予測されている5。そこで本研究では、GC担体へのイオン照射が酸素吸着にどのような変化を与えているのかを明らかにするために、吸着酸素との結合に直接関与するPt 5d軌道の非占有準位を観測できるXAFS測定を用いて、GC担持Ptナノ粒子を酸素曝露したin situ測定を実施した。 GC基板に380 keV Ar+を7.5×1015 ions/cm2のフルエンスで照射した後、スパッタ蒸着によってPtナノ粒子を形成し、照射試料を作製した。Pt 5d軌道の遷移するPt L3吸収端XAFS測定をSPring-8 BL14B1にて行った。最初に、H2雰囲気下100℃で10分間加熱する還元処理することで測定試料の吸着酸化物を除去し、He置換して室温に戻してXAFS測定を行った後に、室温でO2置換して酸素暴露した状態でXAFS測定を行い、2つのXAFSスペクトルの差分から酸素吸着によるPtナノ粒子の電子状態変化を導出した。比較のために、GC基板にPtナノ粒子を形成した未照射試料も作製し、同様の実験を行い、差分スペクトルを導出した。 未照射試料および照射試料の酸素雰囲気下でのXAFSスペクトルから還元直後のXAFSスペクトルの差分のフィッティング結果から未照射試料では11562 eV付近を中心とする1ピーク(以下ピーク1とする)でフィッティングできたのに対し、照射試料ではピーク1に加えてそれより高エネルギー側にピーク2を追加することで良いフィッティング結果が得られた。差分スペクトルでは、酸素と結合したPtの電子状態変を導出していて、凸ピークはそのエネルギー位置にPt-O結合の反結合軌道準位による新たな電子状態があることを意味する。主ピークであるピーク1は吸着酸素であると考えられ、ピーク2はより強く酸素と結合した酸素含有種と考えられるが、その起源については検討中である。 ピーク1のエネルギー位置に関して、未照射試料と照射試料を比較すると、照射試料の方が0.7 eV低エネルギー側にあることが分かった。これはPt-O反結合性準位の低下を意味するため、反結合準位への電子充填が起こりやすくなることを示唆し、イオン照射によるカーボン担体への欠陥導入によって、酸素離脱が容易な弱い酸素吸着に変わっていることが分かった。, 電気化学会第88回大会}, title = {イオン照射カーボン担持Ptナノ粒子触媒のin situ XAFS測定 ~酸素吸着状態の変化~}, year = {2021} }