@misc{oai:repo.qst.go.jp:00082596, author = {岡崎, 宏之 and 出崎, 亮 and 松村, 大樹 and 越川, 博 and 山本, 春也 and 八巻, 徹也 and Hiroyuki, Okazaki and Akira, Idesaki and Hiroshi, Koshikawa and Shunya, Yamamoto and Tetsuya, Yamaki}, month = {Jan}, note = {固体高分子形燃料電池における酸素還元触媒として,高い活性および耐久性を持つPtナノ微粒子の研究が盛んである。我々は、Arイオン照射により欠陥導入したグラッシーカーボン(GC)基板を担体としたPtナノ粒子の酸素還元反応(ORR)活性が向上することを発見し、Ptナノ粒子の構造変化、電子状態変化の観点からその起源を明らかにしてきた。しかし、イオン照射によるカーボン担体への欠陥導入が、酸素がPtナノ粒子に吸着しアノードから供給される電子と水素イオンと反応してH2OになるORR経路にどのような影響を与えているのかは分かっていない。本研究では、イオン照射GC担持Ptナノ粒子を酸素に曝露しin situでXAFS測定を実施することによって、担体へのイオン照射が酸素吸着にどのような変化を与えているのかを明らかにする。 GC基板にAr+を380 keVで7.5×1015 ions/cm2のフルエンスで照射した後、スパッタ蒸着によってPtナノ粒子を形成し、照射試料を作製した。酸素吸着等の化学反応に関係するPtの5d軌道に遷移するL3吸収端のXAFS測定をSPring-8 BL14B1にて行った。水素還元して測定試料を清浄化した状態のXAFSスペクトルと清浄後に酸素暴露した状態のXAFSスペクトルの差分スペクトルから酸素吸着によるPtナノ粒子の電子状態変化を導出した。比較のためにイオン照射を行わずPtナノ粒子を形成した未照射試料も作製し、同様の実験を行った。 照射試料および未照射試料の差分スペクトルにピークフィッティングした結果、照射試料では11561.2 eVにメインピークと11564.5 eVにピークを持つ2ピーク構造であるのに対し、未照射試料では11561.9 eVに1ピーク構造であった。照射試料の高エネルギーピークに関しては、より強く酸素と結合した酸素含有種と考えられるが、詳細については検討中である。 メインピークに関して、未照射試料と照射試料のエネルギー位置を比較すると、照射試料の方が低エネルギー側にあることが分かった。この差分スペクトルは酸素吸着したPtの電子状態を導出しているため、そのピーク位置はPtと吸着した酸素との反結合軌道による電子状態の重心(Pt-O反結合準位)を反映している。そのため、照射試料ではPt-O反結合性準位が低下して、Pt-O結合性準位と反結合準位間のエネルギー幅が縮まっている可能性を示す。したがって、イオン照射によるカーボン担体への欠陥導入によってカーボン担持Ptナノ粒子では、酸素吸着時にPtと酸素の結合は弱くなることが考えられる。, 第34回日本放射光学会年会・放射光科学合同シンポジウム}, title = {イオン照射カーボン担持Ptナノ粒子の弱い酸素吸着}, year = {2021} }