@misc{oai:repo.qst.go.jp:00081665, author = {平戸, 未彩紀 and 馬場, 祐治 and 和田, 真一 and 藤井, 健太郎 and 横谷, 明徳 and Hirato, Misaki and Fujii, Kentaro and Yokoya, Akinari}, month = {Jan}, note = {ハロゲン化ピリミジンを取り込んだDNAを有する細胞は、放射線に対する損傷生成の頻度が顕著に増大することが知られている。しかし、この増感効果におけるDNA損傷過程の物理化学的メカニズムは未解明な部分が多い。ハロゲン元素のひとつのBrがDNAに取り込まれた場合、通常DNAと反応しない水和電子がBrの存在により反応し、Br近傍に移動することで損傷を形成することがシミュレーション研究で提唱されている。そこで本研究では、含BrDNA関連分子の電子状態の特異性を明らかにすることを目的とした。元素に依存する内殻準位と電荷移動に関与する価電子帯の電子状態の情報を得るために、X線光電子分光(XPS)実験を行った。試料には、DNAの塩基であるthymineとこれに類似する構造を持つ5-bromouracil(BrU)及びヌクレオシドのthymidineとBrdUのペレット状試料を用いた。内殻準位のXPS測定により、特定の準位の電子の結合エネルギーを比較したが、Brの有無でこれらのエネルギーには大きな違いは見られなかった。これは、Brはそれが結合する相手の原子の内殻準位に大きな影響は与えないことを示唆している。一方、価電子帯XPSの結合エネルギーの立ち上がり位置に着目すると、thymine関連分子では約2 eVであったのに対し、Br関連分子ではほぼ0 eVであることが分かった。この結果から含BrDNA関連分子はHOMO-LUMO間のバンドギャップが小さいため、LUMOへの電子遷移を介した分子の電気伝導性が高まり、損傷生成を導く電荷移動が起こりやすくなると推測された。現在、ヌクレオチドの5-bromo-2’-deoxyuridine-5’-monophosphate(BrdUMP)とthymidine-5’-monophosphate(TMP)の薄膜試料を用いたXPS測定を進めており、塩基およびヌクレオシドの測定結果と合わせて報告する予定である。, 第34回日本放射光学会年会・放射光科学合同シンポジウム}, title = {軟X線光電子分光法を用いた臭素化DNA関連分子の電子状態の研究}, year = {2021} }