@misc{oai:repo.qst.go.jp:00081450, author = {平戸, 未彩紀 and 馬場, 祐治 and 藤井, 健太郎 and 和田, 真一 and 黒川, 悠索 and 中辻, 博 and 横谷, 明徳 and Hirato, Misaki and Fujii, Kentaro and Yokoya, Akinari}, month = {Dec}, note = {ハロゲン化ピリミジンを含むヌクレオシドの5-bromo-2’-deoxyuridine(BrdU)は、生体に取り込まれると細胞の放射線感受性を高めることが知られており、放射線治療への応用が期待されている。しかし、この増感効果におけるDNA損傷過程の物理化学的メカニズムは未解明な部分が多い。過去のシミュレーション研究では、通常DNAと反応しない水の放射線分解生成物である水和電子がBrの存在により反応し、Br周辺に移動することで損傷を形成するモデルを提唱している。含Br DNA関連分子の特異的な電子状態がこの反応・電荷移動を促進させることが予想され、本研究ではこれを電子物性の観点から解明することを目的とした。DNAに通常含まれるthymineとこれに類似する構造を持つ含Br DNA関連分子の内殻準位及び価電子帯の電子状態の情報を得るために、シンクロトロン放射を利用したX線光電子分光(XPS)実験を行った。試料には、塩基の5-bromouracil(BrU)とthymine 及びヌクレオシドのBrdUとthymidineのペレット状試料を用いた。ヌクレオチドの5-bromo-2’-deoxyuridine-5’-monophosphate(BrdUMP)とthymidine-5’-monophosphate(TMP)は、水溶液を滴下後乾燥させ薄膜試料を作成した。内殻準位のXPS測定により、特定準位に存在する電子の結合エネルギーを比較したが、Brの有無でこれらのエネルギーには大きな違いは見られなかった。一方、価電子帯のXPSスペクトル測定結果から、thymine関連分子の価電子準位が約2 eVであったのに対し、Brを含む分子ではこのエネルギーが極めて小さくなりほぼ0 eVであることが分かった。これらの結果から、Brの存在は内殻準位に大きな影響は与えないもののHOMO-LUMO間のバンドギャップを小さくし、LUMOへの電子遷移を介した導電性をエンハンスすることで損傷生成につながる電荷移動が起こりやすいと推測された。現在、Gaussian/SAC-CI(Symmetry Adapted Cluster-Configuration Interaction)法を含む量子化学計算を進めており、今後これらの分子の1電子還元励起状態についての検討結果も報告する予定である。, 量子生命科学会第2回大会}, title = {量子生命科学会第2回大会}, year = {2020} }