@misc{oai:repo.qst.go.jp:00081356, author = {Yan, DU and 長谷, 純宏 and 佐藤, 勝也 and 鹿園, 直哉 and Hase, Yoshihiro and Sato, Katsuya and Shikazono, Naoya}, month = {Dec}, note = {非相同末端結合(non-homologous end joining (NHEJ))は、最も重篤なDNA損傷である二本鎖切断を修復する主要な経路の1つである。しかしながら、電離放射線による植物への変異誘発に関して、NHEJ経路が欠損した場合にどのような影響が出るのかは詳しく調べられていない。NHEJはDNA末端を直接繋ぎ合わせるため再結合部において変異が生じ易く、姉妹染色分体などを鋳型として修復する相同組換えに比べて誤りがちな修復経路と認識されている。本研究では、NHEJで機能する主要なタンパクであるKu70及びLigIVを欠損するシロイヌナズナを用いて、ガンマ線照射で誘発される変異の特徴を解析した。 NHEJ欠損株の生存曲線の肩に相当する線量(Dq)は200 Gy前後で、200 Gyよりも高線量域ではKu70欠損株の方がLigIV欠損株よりも高い感受性を示した。野生株のDqは2045 Gyであることから、NHEJ欠損株とは約10倍の違いが見られた。そこで、NHEJ欠損株のDqの半分に相当する100 Gyを照射した種子に由来する次世代植物の全ゲノムリシーケンスを実施し、先の研究で得た1000 Gy照射での野生株の結果と比較した。線量あたりの変異率で比較すると、NHEJ欠損株では野生株に比べて2塩基以上の欠失が7~8倍、複合型の変異が約4倍多く生じ、全体では2倍以上の変異が生じていた。Ku70欠損株とLigIV欠損株の変異の特徴は類似していた。NHEJ欠損株では、欠失変異のサイズが長くなり、また、複合型として分類される変異のほとんどが複雑な配列変化を伴うという変異の質の違いが見られ、切断されたDNAの末端を削り込みから保護するというKuタンパクの役割と合致していた。さらに、欠失変異の再結合部分に認められるマイクロホモロジーの長さが野生株での結果に比べて長く、NHEJよりも長いホモロジーに基づいて再結合すると報告されているalternative end joining等のバックアップ経路が修復に関与したことが示唆された。これらの結果は、植物では誤りがちな修復経路として認識されているNHEJが、電離放射線によって生じるDNAの損傷から遺伝情報の損失を最小限に抑える重要な役割を果たしていることを示している。, QST高崎サイエンスフェスタ2020}, title = {非相同末端結合(NHEJ)修復経路を欠損するシロイヌナズナでのガンマ線誘発変異の特徴}, year = {2020} }