@misc{oai:repo.qst.go.jp:00081355, author = {新家, 弘也 and 岩田, 康嗣 and 長谷, 純宏 and 大野, 豊 and 鈴木, 石根 and Yoshihiro, Hase and Yutaka, Ono}, month = {Dec}, note = {藻類を利用したバイオ燃料は、食料生産と競合しないなど次世代エネルギーの候補として注目されている。しかし、藻類を利用したバイオ燃料生産には、既存のオイル産生藻を改良し、よりオイル生産に適した有用変異体(オイル高蓄積株あるいは高い増殖速度を持つ株)を創出する必要がある。我々はその候補として、これまで5種のハプト藻でしか合成することが知られていない超長鎖脂質アルケノンに着目し、その1種であるTisochrysis lutea (T-Iso株)に重イオンビーム照射し、よりオイル生産に適した有用突然変異株の創出を行ってきた。T-Iso株は、オイルとしてアルケノンだけでなくトリグリセリド(TAG)も蓄積する。現在まで脂質の蛍光染色により、その蛍光強度からオイル高産生候補株を607株選抜した。これらオイル高産生候補株の要因としては、炭素固定量の増加や脂質への炭素分配の増加、脂質分解の抑制などが考えられる。これらのオイル高産生候補株から、脂質分解の抑制に注目し、アルケノンが分解される暗条件移行後の脂質蛍光強度の減少率が低い72株について今回は解析を行った。 アルケノン量は、変異体4株(#8, #13, #24, #39)で暗条件下での減少率が0~20%と野生株の30%より低かった。TAG量は、変異体3株(#14 #22, #24)で暗条件下での減少率が25%と野生株の70%より低かった。#24のみで、アルケノン量とTAG量共に減少率の低下が見られた。脂肪酸量は、TAG量の減少率が低かった3株(#14 #22, #24)で暗条件下での減少率が25%と野生株の50%より低かった。多糖量は、変異体と野生で共に暗条件下で減少したが、その減少率は70%前後で大きな差異は見られなかった。しかし、多糖減少率の増加が脂質減少率の増加より速かったため、多糖分解が脂質分解に先だって行われていることが示唆された。 今回調べた変異体6株全てでオイル分解抑制が見られたが、多糖量の減少率に変化は見られなかった。そのため、多糖分解と脂質分解が別々の経路や暗順応で行われていること、多糖分解が先だって行われているため脂質分解抑制の影響を多糖分解があまり受けないことが示唆された。オイル分解については、アルケノン量のみ、またはTAG量のみの分解抑制が見られた変異体株があったため、アルケノンとTAGの分解が異なる酵素や経路で行われている可能性が示唆された。また、今回アルケノンとTAG量で共に分解抑制を示した#24が得られたため、アルケノンとTAGの分解過程の関連性についても明らかになることが期待できる。, QST高崎サイエンスフェスタ2020}, title = {重イオンビーム照射で創出したオイル分解抑制藻の解析}, year = {2020} }