@article{oai:repo.qst.go.jp:00081156, author = {吉井, 幸恵 and Yoshii, Yukie}, issue = {772}, journal = {Isotope News}, month = {Dec}, note = {膵がんは、5年相対生存率が10%以下と極めて低いがんである。膵がんの生存率が低い原因として、膵臓は体深部に位置し早期発見が難しいこと、自覚症状が乏しいことが知られており、膵がんの予後改善のために早期診断・治療法の開発が求められている。特に、1cm未満の早期膵がんの発見・治療はより高い生存延長効果が得られると報告されており、その手法開発は非常に重要となる。近年、血中のがん特有のタンパク質、miRNA、代謝産物、アミノ酸組成などを検出する血液バイオマーカー検査が膵がん患者の有望な早期スクリーニング法として注目され、実用化に向けた臨床試験が世界各国で進行中である。しかし、血液バイオマーカー検査で膵がん高リスクと判明したとしても、現状の画像診断法では腫瘍の正確な位置の特定ができず、確定診断や治療計画策定は困難である。現在、膵がんの画像診断には超音波検査、CT検査、MRI検査、FDG-PET等が使用されているが、これらの方法では2 cm以下の膵がん病変(StageⅠ〜Ⅱ)の検出は難しい場合が多い。このため、早期の微小膵がんの検出を可能にする技術開発が必要不可欠と言える。 これに対し、筆者らはこれまでに、膵がんを含む多くのがんに過剰発現するEpidermal Growth Factor Receptor (EGFR)に対する抗体(抗EGFR抗体Cetuximab)をPET画像診断に使用できる放射性核種64Cu*2で標識した64Cu-Cetuximabを開発してきた。さらに、マウス試験より64Cu-Cetuximabを腹腔投与することで、同薬剤はマウス膵臓に形成した膵がん病巣に高集積することを示してきた 。 一方、本研究の共同研究者の田島・山谷ら(量研放医研)は高感度高解像度を実現できる次世代型PETシステムとして、OpenPET*3を開発してきた。本装置は、診断と治療が同時に可能な世界初の開放型PET装置で、リアルタイムにPETを撮影しながら、手術を施したり、重粒子線を照射する重粒子線治療に適応したりすることができる。 そこで、筆者らはこれらの技術を組合せた64Cu-Cetuximab OpenPETにより、早期膵がんに対する新たな診断法を提供できると考え、マウスモデルを使用した実証実験を行った。本稿では、そうした早期膵がんに対する新たな診断法に関する筆者らの最新の研究成果につき紹介する。}, pages = {6--9}, title = {膵癌の早期診断・治療を可能にするイメージング法の開発}, year = {2020} }