@misc{oai:repo.qst.go.jp:00081080, author = {中西, 郁夫 and 荘司, 好美 and 大久保, 敬 and 小澤, 俊彦 and 福住, 俊一 and 松本, 謙一郎 and Nakanishi, Ikuo and Shoji, Yoshimi and Ohkubo, Kei and Ozawa, Toshihiko and Matsumoto, Kenichiro}, month = {Sep}, note = {【目的】2,2-ジフェニル-1-ピクリルヒドラジル(DPPH)ラジカルは、抗酸化物質と反応すると、その溶液の色が紫色から黄色に変わることから、抗酸化物質の活性評価に頻用されている。しかし、DPPHラジカルは水にまったく溶けないため、水溶液中で用いるためにはエタノールやメタノールなどの共溶媒が必要となり、pHの制御が困難となる。一方、我々は最近、β-シクロデキストリン(β-CD)を用いることにより、DPPHラジカルの水溶化に成功した(Chem. Commun. 2015, 51, 8311)。そこで本研究では、種々のpHのリン酸緩衝液中、β-CDで水溶化したDPPHラジカルと水溶性抗酸化物質との反応を速度論的に検討した。 【方式】DPPHラジカル(0.15 mol)とβ-CD (0.70 mmol)の固体混合物に15 mLの沸騰水(Milli-Q)を加え、室温になるまで攪拌した。得られた懸濁液を孔径0.22 μmのメンブレンフィルターでろ過することによりDPPHラジカルの水溶液を得た。反応速度の追跡にはユニソクRSP-1000-02NM型ストップトフロー分光測定装置を用いた。 【結果】リン酸緩衝液(0.05 M, pH 7.0)中、25℃で、水溶化DPPHラジカルに水溶性抗酸化物質の一つであるTroloxを加えると、DPPHラジカルに由来する527 nmの吸収が減少した。これは、Troloxが水溶化DPPHラジカルを効率良く消去していることを示している。527 nmの吸光度の時間変化を速度論的に解析することにより、この反応の二次反応速度定数(k)を決定した。種々のpHのリン酸緩衝液(0.05 M, pH 6.0~8.0)中でも同様にしてk値を決定した。その結果、pHの上昇に伴って、k値が増大した。Troloxの代わりにアスコルビン酸や(+)-カテキン、カフェイン酸を用いた場合にもk値に対する同様のpH依存性が得られた。 【結論】リン酸緩衝液中における水溶化DPPHラジカルの抗酸化物質に対する反応性は、抗酸化物質の種類によらず、pHの上昇に伴って反応速度が大きくなることが分かった。以上の結果から、水溶液中で抗酸化物質の活性評価にDPPHラジカルを使用する際には、pHの設定が極めて重要であることが明らかとなった。, 第20回日本抗加齢医学会総会}, title = {緩衝液中における2,2-ジフェニル-1-ピクリルヒドラジル(DPPH)ラジカルの反応性}, year = {2020} }