@misc{oai:repo.qst.go.jp:00080837, author = {鈴木, 碧海 and 横谷, 明徳 and Suzuki, Ami and Yokoya, Akinari}, month = {Oct}, note = {外部環境からの刺激(ストレス)を受けた多細胞生物の細胞は、周囲の細胞や細胞外液からのシグナルを伝搬・受容する仕組みを備えている。例えば、細胞にあらかじめ低線量放射線を照射した後、高線量の放射線を照射すると、事前照射を行わなかった場合と比較して放射線影響が緩和されることが知られており、一般に放射線適応応答と呼ばれている。この時細胞膜上のEGFなどのレセプターが外部からのシグナルを受容することで、細胞内へ情報が伝搬される。放射線適応応答の情報伝達の過程では、IP3が関与する複雑なCa2+放出反応ネットワークが形成されており、細胞内カルシウムストアである小胞体からCa2+放出を促すポジティブフィードバックを介した時間的な振動構造が脳・神経細胞で知られている。このような細胞内・細胞間の信号伝達には、情報伝達物質の周期的な放出と受容が利用されており、これは一種の波動を介した細胞間の情報伝達と定義される。シグナル伝達物質の時空間的な濃度変化(疎密波)は”細胞の声”とも言える事象であり、この細胞内・外の疎密波によるコミュニケーションの仕組みを明らかにすることが、本研究の目的である。脳・神経細胞の小胞体でCa2+波が確認されているCa2+イオンに着目し、細胞集団に対するCa2+波の蛍光ライブセルイメージング方法を検討した。今回は、ヒト正常繊維芽細胞(BJ-1 h-TERT)に対してCa2+に特異的な化学的蛍光プローブ(Fluo 4-AM)を導入し、蛍光顕微鏡を用いて細胞全体の輝度の時系列変化を約4分半撮影した(図1)。タイムラプス撮影の結果から、細胞内の相対的なCa2+濃度変化を算出した。観察結果より、隣接する細胞群の中には、Ca2+濃度変化のピーク強度や半値幅に細胞間の距離との相関があることが推測でき、これらの値が情報伝達の閾値として機能している可能性があると考えられる。情報伝達の起点となる細胞からの距離に比例/反比例して疎密波の波形が変化すると推測される。今後は細胞に放射線を照射した場合の細胞内Ca2+濃度変化を算出し、非照射群との比較・検討を行う。また、マイクロビームで細胞の部分照射を行い、細胞内外のCa疎密波による情報伝達過程の理解を目指す。, 令和 2 年度日本原子力学会北関東支部リモート若手研究者・技術者発表会}, title = {放射線照射された細胞内におけるCa2+イオン伝搬のライブセルイメージング}, year = {2020} }