@misc{oai:repo.qst.go.jp:00080678, author = {中西, 郁夫 and Nakanishi, Ikuo}, month = {Oct}, note = {抗酸化物質は活性酸素種やラジカル種に対して優れた消去活性を示すため、酸化還元(レドックス)状態の制御による酸化ストレス抑制への応用が期待されている。抗酸化物質によるラジカル消去反応では、抗酸化物質からラジカルへの水素移動が起こっている。さらに、この水素移動反応には、「一段階の水素原子移動」および「電子-プロトン移動」、「プロトン-電子移動」の3通りの反応機構が知られている。抗酸化物質の反応性および、どの反応機構でラジカルが消去されるかは、溶媒の性質やpH、金属イオンの有無などの反応環境に大きな影響を受けると考えられる。生体内、特に細胞内の環境は不均一なため、種々の環境下における抗酸化物質の反応性およびラジカル消去機構を明らかにすることは極めて重要である。  我々は、マグネシウムイオンなどのレドックス不活性金属イオンが電子移動反応を加速する性質に注目し、抗酸化物質のラジカル消去機構を解明してきた。例えば、非プロトン性溶媒であるアセトニトリル中、(+)-カテキンやレスベラトロールによるガルビノキシルラジカル消去反応は、マグネシウムイオンによって顕著に加速されるため、「電子-プロトン移動」機構で反応が進行していることを明らかにした。一方、レスベラトロールのメチル化体であるプテロスチルベンの場合には、マグネシウムイオンによる反応の加速効果が見られず、「一段階の水素原子移動」機構でラジカルを消去していることが分かった。さらに、ビタミンEのモデル化合物の場合には、同じ抗酸化物質でもアセトニトリル中では「一段階の水素原子移動」機構でラジカルを消去するのに対し、メタノールのようなプロトン性溶媒中では「電子-プロトン移動」機構で反応が進行することも明らかにした。最近では、水に不溶な2,2-ジフェニル-1-ピクリルヒドラジル(DPPH)ラジカルの水溶化に成功し、有機溶媒中と水溶液中において同一のDPPHラジカルを用い、抗酸化物質によるDPPHラジカル消去に対する反応環境の影響について詳細な検討を行っている。本講演では、以上のような研究成果について紹介する。また、反応機構の情報に基づき、天然抗酸化物質よりも優れた活性を示す新規抗酸化物質の開発も行ってきたので紹介する。, 第73回日本酸化ストレス学会・第20回日本NO学会 合同学術集会}, title = {抗酸化物質のラジカル消去機構に対する反応環境の影響}, year = {2020} }