@article{oai:repo.qst.go.jp:00080626, author = {福永, 久典 and 横谷, 明徳 and Yokoya, Akinari}, issue = {10月}, journal = {Isotope News}, month = {Oct}, note = {近年の放射線生物学研究の成果から,組織当たりの放射線被ばく線量は同じでも,生物学的影響の質や量が異なる現象が見出されている。例えば,組織代償効果(tissue-sparing effect, TSE)や放射線誘導バイスタンダー効果など,線量に依存しない放射線生物学的現象が報告されている。これらの「非標的効果」,すなわち放射線トラックが直接ヒットした細胞とヒットしていない細胞の間の相互作用は,放射線生物学における重要な研究対象となっている。その分子メカニズムは未明であるが,最近の成果から,この生物学的な応答は,細胞,組織の種類や,微視的にみたときの放射線エネルギー付与分布などに起因することが徐々に明らかになってきた。TSEの本質は「空間的分割照射により生じる組織レベルでの放射線耐性の獲得」である。臨床においては,空間的に不均一な照射野内で生じるTSEについて1世紀以上前から認識されていた。1909年にアルバン・ケーラー博士が,格子状に放射線源を配置して空間的な分割照射を行うという格子放射線治療により,世界で初めてTSEの臨床観察を報告している。さらに,1995年には米国ブルックヘイブン国立研究所の放射光シンクロトロン実験施設で行われたストライプ状照射実験でラット脳組織におけるTSEが報告されている。このような空間的分割照射によるTSEは,臨床応用だけでなく,環境放射線などの不均一な照射被ばく後の生物学的影響の評価にも重要である。本稿は,最近,我々が見出したTSEによるストライプ状照射後の精子形成能の維持と,その臨床応用の可能性について概説したものである。}, pages = {24--27}, title = {ストライプ状照射を用いた精子形成能維持と臨床応用}, volume = {771}, year = {2020} }