@misc{oai:repo.qst.go.jp:00080539, author = {中西, 郁夫 and 荘司, 好美 and 大久保, 敬 and 小澤, 俊彦 and 松本, 謙一郎 and 福住, 俊一 and Nakanishi, Ikuo and Shoji, Yoshimi and Ohkubo, Kei and Ozawa, Toshihiko and Matsumoto, Kenichiro}, month = {Sep}, note = {アスコルビン酸(AscH2)などの抗酸化物質は活性酸素種に対して水素移動反応により優れた消去活性を示す。活性酸素種には不安定なものが多く、実験室での取り扱いが困難なため、抗酸化物質の活性評価にはガルビノキシルラジカルや2,2-ジフェニル-1-ピクリルヒドラジル(DPPH)ラジカルなどの有機ラジカルが活性酸素種のモデルとして用いられてきた。これらの有機ラジカルは室温でも比較的安定で、抗酸化物質との反応により、その溶液の特徴的な色が消失する。しかし、これらの有機ラジカルは水にまったく溶けないため、水溶液中で用いることができないという問題点があった。最近、Liは水溶性ニトロニルニトロキシルラジカルである2-フェニル-4,4,5,5-テトラメチルイミダゾリン-3-オキシド-1-オキシル(PTIO)ラジカルを活性酸素種のモデルとして用いた抗酸化物質の評価法を報告した。1) しかし、抗酸化物質とPTIOラジカルとの反応を速度論的に検討した報告例はない。そこで本研究では、代表的な水溶性抗酸化物質であるAscH2とPTIOラジカルとの反応を速度論的に検討した。 リン酸緩衝液(0.05 M, pH 7.0)中、25℃で、PTIOラジカルにAscH2を加えると、PTIOラジカルに由来する350 nmおよび560 nmの吸収が減少した。AscH2のpKaは4.1であり、pH 7.0の緩衝液中では脱プロトン化を受け、アスコルビン酸塩(AscH^-^)として存在している。従って、観測されたスペクトル変化は、AscH^-^がPTIOラジカルを消去したことを示している。次に、560 nmの吸光度の経時変化をユニソクRSP-1000-02NM型ストップトフロー分光測定装置で測定した。AscH2の濃度がPTIOラジカル濃度に対して10倍以上の擬一次条件下では、560 nmの吸光度は一次速度式に従って減衰した。560 nmの吸光度変化の対数を時間に対してプロットすると直線が得られ、その傾きから擬一次速度定数(kobs)を決定した。種々のAscH2濃度に対してkobs値をプロットすると原点を通る直線が得られ、その傾きから二次反応速度定数(kH)を2.4 × 10^3^ M^-1^ s^-1^と決定した。水の代わりに重水を用いてリン酸緩衝液(0.05 M, pD 7.0)を調製し、これを溶媒そして用いて同様の検討を行った。その結果、得られた二次反応速度定数(kD = 1.9 × 10^2^ M^-1^ s^-1^)はkH値よりも顕著に小さくなった。速度論的同位体効果(kH/kD)は12.8となった。kH/kD値の温度依存性からトンネル効果の関与についても検討したので併せて報告する。 1) X. Li, J. Agric. Food Chem. 2017, 65, 6288-6297., 第14回バイオ関連化学シンポジウム}, title = {アスコルビン酸からニトロニルニトロキシドラジカルへの水素移動反応における速度論的同位体効果}, year = {2020} }