@article{oai:repo.qst.go.jp:00080114, author = {吉井, 裕 and Yoshii, Hiroshi}, journal = {X線分析の進歩}, month = {Mar}, note = {本研究は,東京電力福島第一原子力発電所廃炉現場の建屋内で溜まり水等が見つかった際に,そこにウランが含まれないことを保証することを目的としたものである.そのために,ウランの検出下限を目標以下まで引き下げることが必要となり,このことは,高感度なウラン分析法を開発することと同義である.手法開発にあたり目標としたのは,検出下限が法令上のウランの排出基準である20 mBq/cm3 の1000 分の1 を下回ることである.一般に,比放射能が極めて低いウランは放射線計測による検出が困難であり,排水中のウランの分析では数L に及ぶ試料を乾固したうえでα 線計測を行う.ところが,建屋内でたまり水等が見つかった場合,一つ一つの試料は少量で,かつ多数であると考えられる.従来法では少量の試料溶液中のウランを迅速に分析することは困難であり,新しい手法の開発が求められている.本研究では,全反射蛍光X 線分析を用いて建屋内で見つかる可能性のある溜まり水等に含まれるウランを分析する手法を開発した.このような試料溶液には周囲の瓦礫由来の成分が含まれていると考えられる.そこで,模擬ウラン汚染瓦礫浸漬液として瓦礫純水浸漬液にウラン含有他元素標準液を添加したものを用意した.この溶液から,固相抽出法でウランを抽出して,卓上型全反射蛍光X 線分析装置で分析したところ,検出下限は法令排水基準の100 分の1は下回ったものの,目標には達しなかった.続いて,固相抽出によるウラン抽出液を10 倍に濃縮して分析したが,検出下限は法令排水基準の450 分の1 ほどであり,これも目標を達成するには至らなかった.そこで,アクチニドを効率よく吸着できる素材として注目を集めている酸化グラフェンに着目した.これを用いてウランを抽出・濃縮することにより,法令排水基準の1000 分の1 という目標を達成することができた.この方法を用いることにより,廃炉の過程で作業環境を含む周辺環境における溜まり水等にウランが漏洩していないことを法令排水基準の1000 分の1 未満の精度で保証できる.}, pages = {11--24}, title = {少量汚染水中微量ウランの全反射蛍光X 線分析}, volume = {51}, year = {2020} }