@misc{oai:repo.qst.go.jp:00079616, author = {岸, 直輝 and 小島, 秀夫 and 中西, 郁夫 and Nakanishi, Ikuo}, month = {Aug}, note = {【緒言】生体内で発生するスーパーオキシドアニオンやヒドロキシルラジカルなどの活性酸素ラジカル種は、がんなど様々な疾病の原因となる。これらのラジカル種の発生量は、スーパーオキシドディスムターゼ、グルタチオンペルオキシダーゼ、カタラーゼなどの抗酸化酵素により抑制されるが、加齢やストレスなどによりその抑制効果が減少する。近年、ラジカル消去活性を示す抗酸化物質の開発が行われてきた。本研究では、テオガリンなどキナ酸骨格を有するガロタンニン類を合成し、それらのラジカル消去活性の評価を行った。 【合成】酸触媒存在下、キナ酸と2,2-ジメトキシプロパンをアセトン溶媒中で還流し、続いてベンジルアルコール溶媒中、炭酸カリウムと反応させることにより、アセトニド保護したキナ酸ベンジルを得た。次に、ジクロロメタン溶媒中、縮合剤EDCによるベンジル基で保護したガロイル基の導入と続く脱保護によりテオガリンを得た。他のキナ酸骨格を有するガロタンニン類の合成も同様に行った。 【ラジカル消去活性の評価】テオガリンのラジカル消去活性には、β-シクロデキストリン(β-CD)で水溶化した2,2-ジフェニル-1-ピクリルヒドラジル(DPPH)ラジカル[1]を用いた。DPPHラジカルとβ-CDの固体混合物に沸騰水を加え、室温に下がるまで攪拌した後、その懸濁溶液を孔径0.22 µmのメンブレンフィルターでろ過することによりDPPHラジカルの水溶液を得た。リン酸緩衝液(0.1 M, pH 7.4)中、25℃で、ユニソク RSP-1000-02NM型ストップトフロー分光測定装置を用いてテオガリンと水溶化DPPHラジカルを混合すると、DPPHラジカルに由来する527 nmの吸収が減少した。これはテオガリンがDPPHラジカルを効率良く消去そたことを示している。527 nmの吸光度の経時変化を速度論的に解析することにより、この反応の二次反応速度定数(k)を2.7 × 10^4 M^-1 s^-1と決定した。他のガロタンニン類に対しても同様にしてk値を決定した。 [1] I. Nakanishi, et al., Chem. Commun. 2015, 51, 8311., 第21回生体触媒化学シンポジウム}, title = {ガロタンニン類の合成とラジカル消去活性の評価}, year = {2019} }