@misc{oai:repo.qst.go.jp:00079605, author = {伊豆本, 幸恵 and 高村, 晃大 and 酒井康弘 and 小栗, 慶之 and 吉井, 裕 and Izumoto, Yukie and Takamura, Kodai and Yoshiyuki, Oguri and Yoshii, Hiroshi}, month = {Mar}, note = {ガフクロミックフィルムを使用して低エネルギーX線発生装置から発生するX線による空気カーマの積算値を測定し、シリコンドリフト検出器によって測定したエネルギースペクトルに基づいて、各エネルギービンの空気カーマを評価した。エネルギービンごとに70 µm線量当量の換算係数を掛け合わせ、低エネルギーX線による皮膚線量を評価した。 キーワード:X線,線量評価,ガフクロミックフィルム,エネルギースペクトル測定 1. 緒言 50 keV程度までの低エネルギーX線は工業製品の非破壊検査や環境試料・美術品等のX線分析などに広く活用されている。これらのX線発生装置にはインターロックシステムが設けられており、X線の漏えいを防止しているが、装置の不備や誤った使用などによりX線が漏えいすると、作業者がX線に被ばくする恐れがある[1]。しかし、このような低エネルギーX線による被ばくに対する線量評価は容易ではない。そこで、本研究ではX線発生装置から放出される低エネルギーX線による被ばく線量評価法の確立を目指した。 2. 実験 最も普及しているWターゲットの小型X線発生装置から発生するX線のエネルギースペクトルを、シリコンドリフト検出器 (SDD) で測定した。管電圧は40 kV、管電流は10 μAとし、SDDユニットに直径25 μmのW製ピンホールを設置した。測定したスペクトルとCuの質量減弱係数を基に計算したCu 100 μmフィルタを設置した場合として予想されるスペクトルは、Cu 100 μmフィルタを設置して実測したスペクトルと一致し、任意のX線フィルタを介した場合のX線スペクトルが再現できることを確認した。次に、各種厚さのCuフィルタを設置した場合の空気カーマを低エネルギーX線用ガフクロミックフィルム (XR-QA2) で測定した。ガフクロミックフィルムの黒化度と空気カーマには正の相関があるため、予め二次標準場で較正した。ガフクロミックフィルムで測定される空気カーマはX線の全エネルギーに対する積算値であるため、フルエンスから空気カーマへの換算係数[2]及び計算したエネルギースペクトルに基づいて各エネルギービンの空気カーマを評価し、それらに70 µm線量当量への換算係数[2]を掛け合わせて皮膚線量を評価した。 3. 結論 本研究では、管電圧を40 kVに設定したWターゲットX線管について、任意のX線フィルタに対するエネルギースペクトルの計算が可能となった。また、これに基づく低エネルギーX線による皮膚線量の評価法を示した。 4. 謝辞  ガフクロミックフィルムの較正は茨城県立医療大学の二次標準場で行った。ご協力いただいた佐藤斉先生、中島絵梨華先生に深く感謝いたします。 参考文献 [1] Suzuki et al., Health Phys. 91 (2006) S35-S38. [2] ICRP publication 74 「外部放射線に対する放射線防護に用いるための換算係数」日本アイソトープ協会, 日本原子力学会2020春の年会}, title = {低エネルギーX線被ばく線量評価法の開発}, year = {2020} }