@misc{oai:repo.qst.go.jp:00079604, author = {高村, 晃大 and 伊豆本, 幸恵 and 上床, 哲明 and 酒井康弘 and 吉井, 裕 and Takamura, Kodai and Izumoto, Yukie and Uwatoko, Tetsuaki and Yoshii, Hiroshi}, month = {Mar}, note = {東電福島第一原発の廃炉過程で発見される可能性のあるウランに汚染された汚染水は、海水の成分を含んでいるものと考えられる。本研究では、海水からUTEVAレジンでウランを抽出する方法と酸化グラフェンでウランを抽出する方法を比較検討し、全反射蛍光X線分析法によりウランの定量を行う方法を開発した。 キーワード:ウラン,海水,蛍光X線分析 1. 緒言 東電福島第一原発では、炉心融解を防ぐため、海水による炉の冷却が行われた。そのため、今後の廃炉過程においてウラン (U) に汚染された海水成分を含む溜水等が発見される可能性がある。海水成分を含む溜水中のUを迅速に分析するために、海水中の微量のUを抽出し、分析する手法の開発が求められている。  本研究では、我々はこれまでに行ってきたU汚染水の全反射蛍光X線 (Total X-ray fluorescence:TXRF) 分析[1]を応用し、海水に含まれる微量のUを抽出し、TXRF分析する手法の検討を行った。 2. 実験  海水認証標準物質NASS-7 (NRC) を20 mLずつ分取し、我々の先行研究[1,2]に基づく2種類の方法でUを抽出した。一方の試料では、UTEVAレジン (eichrom) での抽出後に、簡易エバポレーターで試料溶液を40倍に濃縮した。もう一方の試料には、酸化グラフェン (Graphene oxide: GO) を加え、ろ過によりGOを捕集してから40分の1量の溶出液でUを溶出させた。こちらでは、GOでUを抽出するとともに、40倍に濃縮したことになる。これらの試料に対し、卓上型TXRF分析装置NANOHUNTER-Ⅱ (Rigaku. Co) を用いて管電圧50 kV、管電流12 mA、測定時間5分で測定した。 3. 結果と考察 UTEVAレジンでUを抽出後、物理濃縮を行う方法では、検出下限が0.03 μgであり、作業時間は4時間半を要した。一方で、GOでUを抽出・濃縮する方法では、UTEVAレジンで処理した方法よりも、UのLα線付近のバックグラウンド信号強度が高く検出下限は0.19 μgであったが、作業時間は1時間半だった。GOで抽出・濃縮した海水試料をTXRF分析してUを定量する方法は、より短時間かつ簡便な操作により十分な信号強度でUを測定可能な手法であり、スクリーニング法として有効である。 4. 謝辞  本研究は、原子力規制委員会原子力規制庁「平成31年度原子力発電施設等安全技術対策委託費 (東京電力福島第一原子力発電所の放射性廃棄物の特性評価に関する検討)事業」として実施されたものである。 参考文献 [1] Yoshii et al., Spectrochim. Acta B., 2018, 148, 183-187. [2] Takahashi et al., X-ray Spectrom, 2019, 48, 366-374., 日本原子力学会2020春の年会}, title = {酸化グラフェンにより捕集されたウランの蛍光X線分析法による定量法(2)海水分析への利用}, year = {2020} }