@misc{oai:repo.qst.go.jp:00079603, author = {吉井, 裕 and 伊豆本, 幸恵 and 高村, 晃大 and 上床, 哲明 and 酒井康弘 and Yoshii, Hiroshi and Izumoto, Yukie and Takamura, Kodai and Uwatoko, Tetsuaki}, month = {Mar}, note = {東電福島第一原発の廃炉過程ではウランに汚染された可能性のある汚染水が見出されることが予想される.本研究では,模擬汚染水から酸化グラフェンでウランを抽出・濃縮することで,全反射蛍光X線分析法によるウランの定量における検出下限を改良した. キーワード:ウラン,汚染水,蛍光X線分析 1. 緒言 本研究は,東京電力福島第一原子力発電所廃炉現場の建屋内で溜水等が見つかった際に,そこにウランが含まれないことを保証することを目的としたものである.そのために,ウランの検出下限を目標以下まで引き下げることが必要となり,このことは,高感度なウラン分析法を開発することと同義である.手法開発にあたり目標としたのは,検出下限が法令上のウランの排出基準である20 mBq/cm3[1]の1000分の1を下回ることである. 2. 実験 量研の老朽化した建築物の解体現場で瓦礫を譲り受け,瓦礫12 kgに超純水10 Lを入れて18ヶ月間静置し,その溶液部分を分取してメンブレンフィルターでろ過し,瓦礫純水浸漬液とした.これにウラン含有多元素標準液XSTC-1407 (SPEX CertiPrep. Inc.,) を添加してウラン濃度を0.01 μg/mLに調製した.ここからUTEVAレジンでウランを抽出したうえで簡易エバポレーターで10倍に濃縮する方法と,酸化グラフェン (Graphene oxide: GO) でウランを抽出するとともに40倍に濃縮する方法で試料を作製し,全反射蛍光X線分析を行った. 3. 結果と考察 UTEVAレジンでウランを抽出した溶液と,これを10倍に物理濃縮した試料では,U Lα線の信号強度とそのエネルギーにおけるバックグラウンド信号強度がともに10倍に上昇したため,検出下限は10分の1にはならず,法令排水基準の100分の1だった検出下限[2]が450分の1ほどに改良された.GOでの抽出と濃縮を行った試料でもバックグラウンドは上昇していたが,U Lα線の信号強度の上昇が大きく、法令排水基準の1300分の1の検出下限を達成できた. 4. 謝辞 本研究は、原子力規制委員会原子力規制庁「平成31年度原子力発電施設等安全技術対策委託費 (東京電力福島第一原子力発電所の放射性廃棄物の特性評価に関する検討) 事業」 として実施した。 参考文献 [1] 公益社団法人 日本アイソトープ協会 「アイソトープ法令集(I) 放射線障害防止法関係法令」丸善 PP. 256-312, (2015). [2] Matsuyama et al., Front. Chem. 7 (2019) Article 152, 日本原子力学会2020春の年会}, title = {酸化グラフェンにより捕集されたウランの蛍光X線分析法による定量法(1)汚染水分析への利用}, year = {2020} }