@misc{oai:repo.qst.go.jp:00079464, author = {森田, 明典 and 王, 冰 and 田中, 薫 and 勝部, 孝則 and 村上, 正弘 and 西山, 祐一 and 越智, 進太郎 and 寺岡, 達朗 and 佐藤, 秀哉 and 川端, 凌矢 and 下川, 卓志 and 根井, 充 and 青木, 伸 and Akinori, Morita and Wang, Bing and Tanaka, Kaoru and Katsube, Takanori and Murakami, Masahiro and Nishiyama, Yuichi and Ochi, Shintaro and Shimokawa, Takashi and Nenoi, Mitsuru}, month = {Jun}, note = {近年の高精度放射線療法の進展は目覚ましく、線量集中性の向上によって高い治療効果が得られるようになった。しかしながら、周辺のリスク臓器に有害事象が生じないようにするため依然として正常組織障害が処方できる腫瘍線量の限界を決めている。分子標的創薬に基づいた正常組織選択的防護剤の開発は、放射線治療における線量限界を克服する有効な手段の一つと考えられ、リスク臓器防護による1回照射線量の増大と有害反応の抑制がもたらす寡分割照射の実現、あるいは処方線量の向上が期待される。  放射線防護上、代表的な急性障害は骨髄と腸上皮の放射線障害である。粒子線細胞死については、85 keV/µm以上の高LET放射線ではp53依存性を示さないことが固形腫瘍由来培養細胞を用いて明らかにされているが、骨髄や腸管の放射線高感受性を再現できる適切な培養細胞系はなく、マウス個体の生存率および組織解析が最も適切な防護活性評価方法と考えられた。一方、最近の研究により、p53は、骨髄死ではアポトーシスを促進する因子として、腸死では分裂死を防ぐ抵抗性因子として機能することが明らかとなった。  我々は、骨髄死を防ぐ化合物としてp53活性を抑制する「p53阻害剤」としてオルトバナジン酸ナトリウム(バナデート)を、また、腸死に有効な「p53調節剤」として5-クロロ-8-キノリノール(5CHQ)を発見した。本研究では、これらの化合物を用い、重粒子線に対するp53制御の有効性をマウス個体(8週齢雌性ICRマウス)の照射後の60日生存率を指標として評価した。線質については、培養細胞を用いた先行研究でp53依存的な致死作用を示した炭素線(14 keV/µm)と、p53非依存的な致死作用を示した鉄線(189 keV/µm)を用いた。  骨髄死相当線量の炭素線全身照射試験では、7.0 Gy、7.5 Gyでは溶媒投与群が8.3%、0%の生存率に対し、バナデート投与群が92%、83%生存し、有意な放射線防護活性を示した(p < 0.0001)。一方、腸死相当線量の炭素線を腹部照射したマウスでは、何れの照射線量群(12-15 Gy)においてもバナデートの防護効果が認められなかった。また、鉄線全身照射試験では、7.5 Gyでは溶媒投与群が56%の生存率に対し、バナデート投与群が92%生存し、溶媒投与群より高い生存率を示したが(p = 0.055)、8.0 Gyでは防護効果が認められなかった。以上より、バナデートは、腸死に対して有効ではないが、骨髄死においては炭素線に対して明確な防護効果を示した。鉄線による骨髄障害に対しては、線量のわずかな増加でバナデートの防護効果は失われてしまうが、p53阻害によってある程度軽減できることが明らかとなった。もう一方の5CHQの活性評価も進行中である。, 第57回放射線腫瘍学会生物部会}, title = {p53制御による重粒子放射線防護効果}, year = {2019} }