@misc{oai:repo.qst.go.jp:00079456, author = {坂井, 卓磨 and 西山, 祐一 and 森田, 明典 and 王, 冰 and Dwi, Ramadhani and 佐藤, 秀哉 and 川端, 凌矢 and 田中, 薫 and 笹谷, めぐみ and 越智, 進太郎 and 根井, 充 and 青木, 伸 and Nishiyama, Yuichi and Akinori, Morita and Wang, Bing and Ramadhani, Dwi and Tanaka, Kaoru and Sasatani, Megumi and Ochi, Shintaro and Nenoi, Mitsuru}, month = {Jun}, note = {放射線治療において処方できる線量は、正常組織への障害リスクによって強く制限される。この制限を克服する手段として、正常組織の耐容線量を高める放射線防護剤の開発が望まれている。我々はこれまでに、正常組織の放射線耐性を特異的に高めるいくつかのp53制御剤を見出してきた。そのなかでも、強力なp53阻害剤であるオルトバナジン酸ナトリウム(バナデート)は、骨髄死相当線量である8 Gyおよび腸死相当線量である12 Gyのマウス全身照射試験において、顕著な防護効果を示す化合物である。しかし、バナデートによるp53阻害を介した腸管保護効果は、p53が被ばく後の腸上皮幹細胞死に対する抵抗性因子として機能するという近年の知見と矛盾していた。  他の研究グループの研究では、腸死相当線量のマウス全身照射試験において骨髄移植が奏効したと報告されていることから、およそ12 Gyの全身照射モデルでは骨髄障害が腸死の進行に寄与していると考えられた。そこで本研究では、マウスの頭部および前脚部の骨髄を鉛で遮蔽防護し、骨髄死を回避した亜全身照射モデルによってバナデートの腸管保護効果を再検証した。  8週齢雌性ICRマウスにバナデート(20 mg/kg体重)または溶媒を腹腔内投与し、亜全身照射を行うことで、重度の骨障害を回避しつつ腸管死を誘導させた。溶媒投与群はX線18 Gyおよび21 Gy照射後、それぞれ20%および10%の生存率を示した一方、バナデート投与群は全てのマウスが死亡し、バナデートによる腸死の促進が認められた(P < 0.05)。また、18 Gy照射3.5日後の回腸組織では、バナデートおよび溶媒投与群のいずれも重度の絨毛萎縮と陰窩消失を示し、陰窩消失はバナデート投与群においてより顕著であった(P < 0.05)。他方、これらの組織障害はp53調節剤である5-クロロ-8-キノリノール(5CHQ)の投与によって効果的に抑制された(P < 0.05)。  以上の結果から、p53阻害剤であるバナデートの放射線防護効果は、骨髄症候群のみ、あるいは骨髄症候群と胃腸管症候群が複合的に誘導される全身被ばく状況下(~12 Gy程度)に限定される可能性があり、腹部領域への局所的被ばく状況下での使用は腸管障害を促進すると考えられた。, 第57回日本放射線腫瘍学会生物部会学術大会}, title = {p53阻害剤バナデートは亜全身照射後のマウス腸管障害を促進する}, year = {2019} }