@article{oai:repo.qst.go.jp:00079413, author = {白井, 敏之 and Shirai, Toshiyuki}, journal = {『ライフライン21 がんの先進医療』}, month = {Oct}, note = {光速の70%程度まで加速された炭素イオンは、線量集中性の良さとX線・陽子線の2~3倍に達する生物学的効果をもつことから、これをがん治療に使用する重粒子線治療は、いくつかの疾患で手術に匹敵する局所制御を実現している。また、一部疾患では1日1時間以内で治療が終わることから、量子ビームによる切らない手術とも言える。治療装置も最近では3次元スキャニング照射装置と回転ガントリー装置の組み合わせにより強度変調照射が可能になるなど、他の放射線治療装置と比べても技術的な遜色はなくなっている。しかしながら、重粒子線治療施設は国内に6施設しかなく、世界的にも12施設にとどまっている。その主な原因は加速器を含めた治療装置を設置するために必要な施設が依然として65m×45m程度と大きく、巨額な初期投資が必要なことにある。(図1参照)。この課題の克服のためには、病院内の治療室に設置可能で低コストの治療装置が必須である。また、現在の重粒子線治療では、1日で治療が終わる疾患もあれば、治療期間の長い疾患(4週間~5週間)も存在する。受け入れ可能患者数を増やすためにも、治療成績向上だけでなく、治療期間の短期化を含めた高度化が求められている。 2016年4月に日本原子力研究開発機構の一部と放射線医学総合研究所が一緒になって誕生した量子科学技術研究開発機構(以下、量研)は、重粒子線治療の研究・臨床実績だけでなく、超伝導・レーザー・量子ビームなど先端的な量子科学技術の研究開発能力をもつ組織であることから、これを活かして2017年より次世代の重粒子線治療装置を「量子メス」と名付けて開発を実施している。}, pages = {18--21}, title = {次世代の重粒子線がん治療装置「量子メス」}, volume = {35}, year = {2019} }