@misc{oai:repo.qst.go.jp:00078375, author = {柄本, 佳奈 and 平野, 優 and 中澤, 昌美 and 阪本, 龍司 and 玉田, 太郎 and Hirano, Yuu and Tamada, Taro}, month = {Sep}, note = {α-アミラーゼはデンプンを液化・糖化する酵素として食品産業や工業で広く利用されている。特に、生デンプンを分解する能力の高いアミラーゼはデンプンの糖化工程において有用である。当研究グループにおいて、シマミミズ(Eisenia fetida)の粗酵素液中より生デンプン分解能を有するアミラーゼの存在が確認され、2 種の生デンプン分解酵素(Ef-Amy I, Ef-Amy II)が単離・精製された。この2つの酵素は、89%のアミノ酸配列の相同性をもつにも関わらず、生米デンプンに対する基質特異性に差のあることが判明した。さらに、Ef-Amy I の結晶構造から、Ef-Amy Iにのみグリシン残基を多く含むループ構造(グリシンリッチループ)が活性部位付近に存在することが明らかになったが、このループ構造の役割および基質特異性との関連は不明な点が多い。よって本研究では、Ef-Amy におけるグリシンリッチループの役割および基質特異性への影響を調べることを目的とした。 はじめに、Ef-Amy II の結晶構造を取得し、Ef-Amy I をモデル分子として分子置換法により構造を決定した。活性部位付近の構造を Ef-Amy I と比較した結果、Ef-Amy I では グリシンリッチループが活性部位の溝を狭めていることがわかった。このことがアミロペクチンのような分岐基質の分解に影響を及ぼすと推測し、以下の実験を行った。 Ef-Amy I からグリシンリッチループを欠損させた変異酵素 Ef-Amy IΔloop を作製し、以下の実験に用いた。まず、グリシンリッチループの分岐基質の分解に与える影響を明らかにするために、可溶性デンプンに対する活性を100 %とした場合のアミロペクチンとアミロースに対する相対活性を比較した。その結果、Ef-Amy IとEf-Amy IΔloopはアミロ―スに対して特異性が高く、Ef-Amy IIはどちらの基質に対しても特異性に差のないことが明らかになった。よって、グリシンリッチループの有無は基質特異性に影響を及ぼさず、構造中の他の領域が関与している可能性が示唆された。 次に、分解様式への影響を明らかにするために、マルトテトラオース、マルトペンタオースを基質として分解産物を経時的に定量・分析した。その結果、Ef-Amy Iはどの基質においても2糖を主生成物とし、Ef-Amy II および Ef-Amy IΔloop では2糖以外のオリゴ糖も生成していることがわかった。これらの結果より、グリシンリッチループは基質の分解様式に影響を及ぼしていることが示唆された。 今後、基質特異性に関与する領域や分解様式の変化についてより詳細に調査していく予定である。, 第92回日本生化学会大会}, title = {シマミミズ由来生デンプン分解酵素の構造機能相関}, year = {2019} }