@misc{oai:repo.qst.go.jp:00078168, author = {酒井, 朋子 and 畑純一、太田裕貴、新宅勇太、木村直人、岡野ジェイムス洋尚、濱田穣、岡野栄之、森進、大石健一 and Sakai, Tomoko}, month = {Feb}, note = {近年、科学技術の進歩とともに、霊長類モデルを対象とした脳神経回路の地図を構築し、高次脳機能の発現と精神・神経疾患における機能異常のメカニズムを解明しようとする機運が高まっている。 これまで、私たちは、磁気共鳴画像法(MRI)等の非侵襲的画像技術により、霊長類の脳容積の発達変化を分析し、ヒト脳との比較により、人類進化に伴う脳の大型化の進化・発達機構を明らかにしてきた (Sakai et al., Nature Proceedings , 2010; Sakai et al., Curr Biology, 2011; Sakai et al., Curr Biology, 2012; Sakai et al., Proceedings B, 2013; Sakai et al., Neuroscience Research, 2017; Sakai et al., PLoS One, 2017) 。 一方、動的で複雑なヒトの脳の進化基盤を理解することは難しく、そのための研究戦略は発展途上の段階である。特に、脳領域の進化的変化を定量分析する計算技術が未発達であった。さらに、霊長類を用いた医学実験は縮小傾向にあり、霊長類の脳MRIのデータベース化が求められている(Milham et al., 2018)。  そこで、私たちは、Johns Hopkins University(JHU)の大石・森研究室との国際連携のもと、最先端のMRI撮像技術と画像解析技術により、ヒトと非ヒト霊長類の神経回路構造における進化的相同性と特異性を解明することを目指した。第一目的として、日本モンキーセンター(JMC)の霊長類脳標本コレクションを対象に、東京慈恵会医科大学の9.4テスラMRI装置を用いて、脳構造画像と拡散強調画像を撮像し、これらの脳画像を集約することで、オープンリソースリポジトリ“The Japan Monkey Centre Primates Brain Imaging Repository” (http://www.j-monkey.jp/BIR/index_e.html)を開発した(Sakai et al., Primates, 2018)。 ユーザは、JMCの連携研究申請の承認を得てから脳画像を無料で利用することができる。本リポジトリには、実験モデル以外のさまざまな霊長類の脳画像も含まれおり、霊長類モデルから得た知見を、ヒトの脳コネクトーム研究や精神・神経疾患に関する研究に活かすうえで、重要な役割を果たすことが期待できる。 第二目的として、JHUが開発した画像変形アルゴリズムのLarge Deformation Diffeomorphic Metric Mapping (LDDMM)により、微分同相写像間の非線形的な重ね合わせや非可逆的な変換を行うことで、サルからヒトへの進化過程で、神経回路構造の進化的相同性が保たれた領域と拡大した領域を画像化することに成功した。これにより、ヒト特異的な脳構造の進化・発達機構の定量的・包括的な解明が加速することが期待できる。 このような試みは、伝統的な霊長類の脳科学研究の枠組みを超えて、コンピュータサイエンス、数理統計学、深層学習等の多数の研究者や専門家の参画を促進することから、ヒトの脳コネクトーム研究や精神・神経疾患のトランスレーショナル研究の発展に大きく貢献するものと考える。, 第8回 日本マーモセット研究会大会}, title = {最先端の計算解剖学的手法による比較霊長類脳イメージング研究の確立}, year = {2019} }