@misc{oai:repo.qst.go.jp:00078163, author = {酒井, 朋子 and 曽我部, 和美 ,畑 純一 ,新宅勇太,太田裕貴,岡野栄之,岡野ジェームス洋尚 and Sakai, Tomoko}, month = {Oct}, note = {背景・目的  ヒトの大脳は自然界の中でも高度に組織化され,かつ複雑な構造物であると言われている.ヒトの脳が他の動物と大きく異なっているのは,学習や思考などに関わる大脳皮質が著しく発達している点である.その脳機能を理解するためには大脳の構造を知る必要があり, ヒトと非ヒト霊長類の大脳新皮質を比較することは,ヒトの脳の進化を理解する上で重要である. 先行研究として灰白質(GM: gray matter)と白質(WM: white matter)の進化による体積変化の報告(Sogabe,et al.2018 JRC)をもとに,ヒト霊長類17種のWMの画像解析を進め,拡散の異方性の強さの指標として最も広く用いられているパラメーターであるFA値(fractional anisotropy)を求めた(Basser PJ et al.1995).WMのFA値とFA画像から得られた非ヒト霊長類3種のWMの体積を比較検討し,進化の上でどのようにWMが変化していったのかを検証した. 方法  9.4テスラの小動物用高磁場MRI装置(Bruker; BioSpec 9.4/20 USR)を用いて得られた,非ヒト霊長類17種の液浸脳標本から3次元脳解剖画像(拡散強調画像)を得て,DiffusionToolkit・FSLを用いて画像解析を行いWMのFA値を求めた. また,非ヒト霊長類3種のFA画像よりBrain Suites (http://brainsuite.org/) を用いて白質をROIで囲み,ITK-Snap Medical Image Segmentation Tool (http://www.itksnap.org/pmwiki/ pmwiki.php?n=Downloads.SNAP3)でWMの体積を求め,T2画像から求めたWMの体積とFA画像から求めた体積の比較検討した. 結果・考察  WMのFA値の結果から,非ヒト霊長類の種類によるWMのFA値に差がないことが分かった. また,T2画像で求めた体積とFA画像で求めたWMの体積は進化とともに増えていることもわかった.先行研究(Parker GJ et al. 2002)(Rogier B. Mars et al.2018)では,ヒトと非ヒト霊長類の間で中心部の白質構造はかなり共通するということが報告されている. FA値はWMの密な軸索構造が束になって存在する環境において異方性が強く出る(Hagmann P et al.2006)ものであり,今回の結果より,進化の過程においてWMの体積は増えていっているが,軸索構造・繊維構造に変化は少ないと考えられる. 新規性  過去に多くの研究者が脳重や脳の皺,ニューロンとシナプスの数, 皮質の厚さ,表面積,容積,左右半球の差など,ヒトを含む各種動物の脳で比較解剖学的に調べられているが,本研究は世界有数の規模を誇る日本モンキーセンターの霊長類の液浸脳標本コレクションを対象に,MRIを使用し非侵襲的に脳画像を得ており,絶滅危惧種のサルも含まれている貴重なデータである.非ヒト霊長類のWMのFA値の比較や体積ついて17種と比較しての論文はない., 第47回日本放射線技術学会秋季学術大会}, title = {非ヒト霊長類の標本脳を使用した白質組織の異方性拡散特性}, year = {2019} }